1. トップページ >
  2. 市長室 >
  3. 市長コラム

市長コラム

 

市長コラム ~明日に向かってともに創る~


平成30年9月5日号広報掲載 前回へ 

総合公園構想と被災地の利活用について

 約30年前に基本計画が策定された、400mトラック・サッカー場、野球場、総合体育館、テニスコート、公園などからなる総合公園計画(建設地は長洞仮設住宅団地周辺)がありましたが、永年の間実現の目途が立たなかったことから、平成29年5月15日開催の市議会全員協議会に諮られ計画の代替案を検討することになりました。
 市民の皆様は、新聞報道・市広報などを通じてご存じのことと思います。
 永年の間、実現の目途が立たなかった理由は、特に以下の2点があげられます。
・震災前、県の永浜山口港湾整備事業用土として掘削・運搬するも、総合公園に必要な平場の確保に至っていない。土砂搬出残量は約30万立米残っているものの、永浜山口工業用地の埋め立てが終了したことから行き先がない。
・約20年前の基本設計時点での施設整備費用は100億円超、今ではさらに多額の費用が想定されるも、国の補助制度も無く市単独では財政負担が重過ぎ困難であること。
 市議会全員協議会では、今後は、被災地を利活用したスポーツ施設建設の検討、既存スポーツ施設の機能向上、2市1町間での相互利用などを検討しながら、市が代替案を示すこととなりました。
 このような状況下、赤崎地区の皆様から中赤崎地区をスポーツ交流ゾーンとする要望が寄せられ、野球協会様からは現市営球場は築50年経過し老朽化したことと駐車場が少ないことから、被災跡地への新市営球場建設の要望が寄せられました。
 市では、これらの要望を踏まえ、スポーツ施設を計画的に整備していくため、赤崎地区において、野球場を中心とするスポーツ施設等整備の実現に向け、次のとおり取り組んでいます。
・スポーツ施設などについて、具体的な規格や事業費、財源確保などの庁内検討を進めています。
・野球場については、赤崎地区の土地利用計画において、スポーツ交流ゾーン検討区域の中心施設として位置付ける方向で地域の方々と協議しています。
・体育館、テニスコートについては、既存施設を充実させる方向で検討しています。
・400mトラックについては、県が陸前高田市に整備予定の施設の利用促進を図る方向で検討しています。
 なお、赤崎地区において野球場を中心とするスポーツ施設などを実現するには、市議会の同意のもと、次の3点が必要となります。
・当該地区の土地利用計画を早期に策定すること。
・事業用地の確保にあたり、予定区域内における民有地の地権者の方々から用地買収などの了承を得ること。
・現在、新県道整備のために仮置きされている中赤崎地区の土砂が、予定どおり岩手県により使用され、なくなること。
 復興創生期間も残すところ2年半という終盤を迎えた中、スポーツ施設などの実現に向けた検討と併行しながら、これらの課題を解決するための取り組みを鋭意進めていきたいと考えておりますので、関係者の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
 



平成30年8月6日号広報掲載 前回へ   ▲次回へ

地区住民の皆様と行政の今後の在り方を考えましょう

 地区公民館は、昭和24年制定の社会教育法によるもので、社会教育機能を有する地区の教育機関として制度化され、教育委員会が担当部署でありました。
 以来、約70年が経過し、最近では教育委員会との連携のみではなく市長部局からの依頼も多くなってまいりました。
 特にも大震災からの復興まちづくりを契機として、市長部局との関連性が増大し公民館の仕事も増えてまいりました。
 一方で、以前から少子高齢化・人口減少などに伴い公民館の担い手不足も大きな課題になっておりました。
 このような中、今後は「地区にとってはコミュニティ維持」が、「行政にとってはこれまでと同水準の住民サービスの維持」がより課題になってきます。
 したがって今後は、これからも進む高齢化社会を乗り切るために、今まで以上に地区・行政間の協働を進める必要があると考えています。
 そのようなことから、本年4月、市役所内に市民協働準備室を設け、地区・行政の協働の在り方を模索し始めたところです。
 そして6月下旬より地区懇談会を行い、ここ3カ月間に模索した内容を、地区公民館・関係者の皆様に説明をさせていただきながら、たくさんの貴重なご意見・ご提言などをいただいてきました。
 協働の原則は「地区は地区でできることを行う」「行政は行政でしかできないこと、地区ができないことを行う」であります。
 協働のかたちとして、より具体的には、地区・行政の関わり方の度合いにより次の5つに分かれるものと考えています。
・地区が主体的に行う
・地区が主導し、市が協力する
・地区と市が協力し合う
・市が主導し、地区が協力する
・市が責任を持って行う
 今後は、この協働のかたちを今まで以上に意識しながら、地区と行政の協働を進めていかねばなりません。
 そのためにも今後の地区の体制は、今までよりも多くの地域住民が関わるようになることが重要だと考えています。 例えば、子育て世代・若者・働き盛り世代・女性・地元企業・UIJターン者・NPO法人・市民活動団体など、多様な担い手が参加しやすい環境を整えていくことが大切です。
 このような取り組みを通じて、少子高齢化社会を乗り越えるためのご近所力・地域力が高まっていくものと考えられます。
 人口減少社会は誰もが経験したことはありません。それを乗り越えていくには、市民一人一人が知恵を出し協働し合うことしかありません。
 市民の皆さん、大船渡の底力を発揮してまいりましょう!
 



平成30年7月5日号広報掲載 前回へ  ▲次回へ

大船渡はとても元気なまちになってきました

 大震災から7年余りが過ぎました。この間いろいろありましたが、復興を通じて大船渡はとても元気なまちになってきました。さまざまな事例がありますが、主なものを紹介します。
■新しいことをどんどん取り入れています
・大震災直後の米国・英国の国際捜索救助隊の受け入れにはじまり、ボストンのボランティア団体受け入れとその後の交流、アーカンソー州立アーカンソーテック大学によるキッズサマースクール、サンディエゴ・ティファナ日本協会を通じた野球少年交流など、国際交流が盛んになりました。
・平成25年、復興需要で元気になった経済を、復興需要も維持するため、市役所内に起業支援室を設け、起業支援・人材育成・ビジネスプランコンテストの開催などを毎年行ってきました。その結果、約240名の起業者、93名の人材育成がなされ、市内経済最前線で活躍しています。
■元気な事例が増えてきました
・最近、小中高生・成人・地元企業から全国的な賞を受賞する方々が多く生まれています。例えば小学生による農林水産大臣表彰、高校生による文部科学大臣表彰、漁業者による内閣総理大臣表彰など多くの皆さんが元気に頑張っています。
・ご高齢者の皆さんも、元気に活動されています。さまざまなご高齢者による活動のほか、ここ1・2年、市内各所にお茶のみサロンなどが多数(市が把握しているもので約80カ所)生まれ交流が盛んになってきました。
■経済も元気になってきました
 「岩手県市町村民経済計算」によれば、市内総生産と人口1人当たり市民所得は震災前に比べ各々約1・5倍(平成27年度)になり、市民所得は県内でもトップ5市町に入りました。これは、復興需要によるところもありますが、前述したような起業・人材育成、さらには震災後新たに誘致した企業なども寄与しています。また、年収・収入に関する総合情報サイト「年収ガイド」によれば、平成27年度市民所得は県内では盛岡市に次いで2番目です。
■合計特殊出生率も向上してきました
 平成22年度の1・49から上昇傾向で推移しており、平成28年度には1・63になりました。これは県内14市の中ではトップ、県内33市町村でも上位に位置しています。
 少子高齢化・人口減少は国家的な最大課題ですが、これを乗り切るには合計特殊出生率が2・07よりも高くなるよう、子育てを取り巻くさまざまな環境を良くし続けなければなりません。市民所得の向上はその中で最も大事なものの一つです。
 このように大船渡は、元気なまちに変わってきました。
 皆さん、明るい前途を目指し大船渡に自信を持ってさらに前に進んでいきましょう。
 



平成30年6月5日号広報掲載 前回へ   ▲次回へ

大船渡港がILCの物流拠点に位置付けられました

  大船渡市は2015年、東北ILC推進協議会に加入以来、北上山地へのILC誘致・実現のため、関係団体とともに多様な取り組みを進めてまいりました。例えば、市役所の登り坂に「ILC国際リニアコライダーを東北に」横断幕の掲示、奥州市・一関市などで開催される関連行事への参加、大船渡市内におけるILC関連講演会の開催、大船渡港から建設地候補地までの道路でのILC機器運搬用コンテナの通行可能調査、大船渡港利活用についての岩手県との連携、平成30年度一般会計予算へのILCに関連したまちづくりビジョンと大船渡港の利活用プラン策定費の計上、などであります。
 そのような中、今年春に東北ILC推進協議会内に設置している東北ILC準備室が作成した「ILC東北マスタープラン(概要版)」では、物流拠点の一つとして大船渡市が位置付けられました。
 また、去る5月10日仙台市内で開催された平成30年度東北ILC推進協議会総会において、それまでの盛岡市・奥州市・一関市・気仙沼市に加え、大船渡市も参与として承認いただきました。これは今までの取り組みの成果であり、本市にとりましては、誠に有難いことであります。
 素粒子物理学の欧州の国際的組織では、来年から新たな5カ年計画が始まります。日本政府が誘致を決断すれば、ILCがその5カ年計画に位置付けられ、国際的に大きく動き出すことになります。従って、日本政府による誘致に係る意思表示の時期は、本年が山場であるとされています。
 ILCが実現いたしますと、我々の社会に大きな変化をもたらします。
・素粒子物理学の最先端の研究課題(ヒッグス粒子・宇宙の暗黒物質・暗黒エネルギーなどの解明)に取り組むことにより科学の発展に大きく寄与
・最先端の研究課題に取り組むハイテク機器類の製造技術向上による多様な分野への大波及
・海外から多くの研究者・家族が来訪・滞在することによる多様な国際交流・国際的な知名度向上・観光振興、ひいては地域振興
 さらに大船渡に関して追記すれば
・建設期における国内外から海上輸送されるILC関連機器の陸揚げなど、物流拠点としての大船渡港の活用、地元建設業界における建設参加の機会創出
・大船渡から車で約1時間のところに研究施設が建設されることから、意欲ある若者にとっては、研究者・技術者・スタッフとしての働く場
 など波及効果には実に多大なものがあります。
 是非とも、政府によるILCの誘致決断に向け、市としましても関連諸団体と連携して取り組んでまいりますので、皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。



平成30年5月7日号広報掲載 前回へ  ▲次回へ

各種イベントのスケジュールの最適化を

 市内では、市、経済、観光、体育、芸能、地区、協議会、ボランティアグループなどさまざまな組織・団体により、毎年多種多様なイベントが活発に開催されております。
 極端に言えば大中小合わせて無数と言ってよいくらいありますが、これが現在の大船渡の元気さにつながっているものと確信しており、関係諸団体の皆様の取り組みに心から敬意を表します。
 中には、交流人口を拡大し、観光振興に寄与するイベントもたくさんあります。
 一方で、イベント主催団体が開催場所の確保に努力しながら日時を試行錯誤的に設定するといった面もありますので、時として「あのイベント」と「このイベント」が、偶然同じ日に重なり、結果として来訪者が限定的になってしまい、「あ~勿体無いな~!」といった事例も発生していました。
 このような事から、交流人口の拡大や宿泊者増につながり、よって飲食・特産品売り上げの増に結びつくイベントスケジュールとはどういうものかをここ1年半模索してまいりました。
 具体的には
・年間のイベントは実際どのような日程になっているのかをまず把握する(市HPにイベントカレンダーとして平成28年9月から現在まで掲載されています)
・交流人口・宿泊者を増やすために、スケジュール上調整すべきことがないのかどうか?
・重要なイベント同士が重ならないようにするのはどうしたら良いか?
・イベントスケジュールを市内関係者とうまく擦り合せるにはどうしたらよいか ?
などであります。
 このようなことから、関係部署を通じて市内関係者と連絡協議しつつ1年間分の主要スケジュールを作成し、関係者間で情報共有するといった取り組みを進めることとしました。
 初回は、平成30年度のスケジュールを年度当初にまとめ、市内関係者の皆様と情報共有・情報発信しながら、役立てていただきたく考えています。
 来年度以降については、新年度が始まる数カ月前には作成を終えたいと考えています。
 これを2・3年繰り返すことで主催者団体同士のつながりが広がり、おのずとスケジュールが最適化し、交流人口拡大・ひいては市の観光振興にもつながっていくものと思います。
 市内関係者の皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。



平成30年4月11日号広報掲載 前回へ  ▲次回へ

マイナンバーカードの早期取得を!

 平成28年1月にマイナンバー制度が創設されてから2年余り、また平成29年11月の本格運用開始から4カ月余りたちました。
 先日、マイナンバー制度についての総務大臣・内閣府特命担当大臣(マイナンバー制度担当)書簡が全国自治体の首長に送付され、私も受領しました。書簡の趣旨は「マイナンバーカードの取得者拡大と行政手続きへの活用を積極的に推進していただきたい」というものでした。
 関連資料によると、制度開始から約2年経過した平成29年12月1日現在、マイナンバーカード取得者は各都道府県とも10%前後であり普及があまり進んでいないことと、自治体側での情報連携もその途上であることが書簡送付の背景と察しました。
 マイナンバー制度創設の前は、行政手続きを行う場合に、市役所などの行政機関に存在する特定の個人の情報が同一人物の情報であるということを確認するために、窓口で「健康保険証」「運転免許証」「パスポート」などの公的な身分証明書を提示しながら、申請ごとに住所・氏名・生年月日・性別などを記入・提出しなければならないといった不便さが延々と続いてきました。
 このようなことから最新の情報通信技術を生かし、行政運営の効率性・透明性を高めることにより、市民サービスを一層充実させるためにマイナンバー制度が創設されました。
 納税者番号・社会保障番号から始まったマイナンバー制度ですが、平成29年11月以後、国の行政機関と地方公共団体間の情報連携が本格化しつつあります。また、国民一人一人に用意されたマイナポータルにより、インターネットを通じた各種申請や行政機関からのお知らせサービスの受信が可能となってきました。
 このような情報連携により、行政手続きでは省略可能な書類が増加しつつありますし、子育てワンストップサービス、コンビニ交付サービス、海外における電子証明書の継続利用など、利便性が向上してきました。この利便性を享受するにはマイナンバーカード取得が不可欠になってきました。
 行政効率向上と個人の利便性向上により社会の効率を上げ、少子高齢化・人口減少の困難な時代を克服する力の一つに育ててゆかねばなりません。
 マイナンバーカード未取得の皆さんはできるだけ早期に取得されるようお勧めします。



平成30年3月5日号広報掲載 前回へ  ▲次回へ

気仙2市1町の連携をさらに強めるため

 市民の皆さんもご存知の通り、気仙2市1町ではさまざまな分野において連携の取り組みを進めています。それらの一例を挙げますと次のようになります。
・気仙広域連合(衛生処理、介護度認定、特産品販売、児童生徒英語サマースクール、対県要望など)
・気仙広域環境未来都市【医療・介護のICT(情報通信技術)連携未来かなえ機構運営支援】
・公共施設の相互利用受け入れ
・気仙地区議会協議会【要望活動、ILC(国際リニアコライダー)誘致促進活動】
 さらには、大船渡地区消防組合(1市1町)、大船渡地区環境衛生組合(1市1町)のような2自治体による共同事業などもあります。
 さて、今後、高齢化が数十年間にわたって進行する中、自治体経営をより合理的・効率的に進めるための国の制度は数多くありますが、地域連携をより一層推進するための施策があります。それは総務省が推進している「定住自立圏構想」です。
 「定住自立圏構想」は、生活・経済面で関わりの深い周辺の自治体間で、「生活機能の強化」「結びつきやネットワークの強化」「圏域マネージメント能力の強化」に関する連携事業を行うことにより、国から財政支援措置を受けて、自治体経営に役立てることができる制度です。ただしそこには条件があります。それは少なくとも1自治体は次の条件を満たすことなどです。
・人口が5万人程度(少なくとも4万人超)以上であること/昼間人口が夜間人口を上回っていること
 本市は、昼間人口が夜間人口を上回っており、人口は約3万8千人ですが、制度の経過措置により、人口要件が平成22年度の国勢調査で4万人以上であった都市にも適用されることとなり、該当します。
 「定住自立圏構想」は、合意した連携内容について、議会の同意を得て協定を締結するというものです。また、議会の同意を得て解消することも可能な仕組みになっています。
 このようにフレキシブルで緩い連携ではありますが、取り組み内容と数によっては地域経営と行政の効率がより向上し、住民サービスに資することが期待できます。
 現在、「定住自立圏構想」に取り組んでいくと決まったわけではありませんが、気仙2市1町がさらに連携を強化するために、今後、陸前高田市・住田町と検討に向けた協議を重ねていく段階に入ったということをご報告します。 



平成30年2月5日号広報掲載 前回へ   ▲次回へ

医師不足解消~郷里出身のお医者さんのUターンを~

 平成28年10月より不在であった綾里・吉浜両国保診療所のお医者さんが、本年1月より1年3カ月ぶりに常勤することになりました。これは広報などでお知らせしたとおり皆さんご存知のことと思います。
 これを受け、両診療所に医師を派遣し運営にご支援をいただいた気仙沼市立病院、岩手県立大船渡病院、同大東病院を昨年末に訪問し、院長および関係者の皆様にお礼を述べてまいりました。
 この1年3カ月間は、医師不足の実態について痛感した期間でもありました。
 一つ目は、おととしからインターネットなどを通じて全国から医師募集を行いましたが応募者はいませんでした。これは全く意外な結果ではありましたが、全国的に医師不足であり、市外・県外から支援を求めることは困難であることを肌で実感する結果となりました。
 二つ目は、岩手県として県内の医師不足に対応するため、県下33市町村と連携し県内出身医師を育成すべく、医師奨学金制度を設立運営し続けてきました。最近、奨学金を利用した新卒医師が卒業する時期を迎えつつありますが、大学院進学や奨学金返還などにより、県内の市町村立の診療所などに新卒医師をすぐに配置することは困難な状況下にもあると伺っています。さらには、県内の多数の自治体が医師不足であることから、仮に新卒医師の配置があったとしても順番待ちに年数がかかり医師不足がすぐには解消し難いということでもあります。
 このような中、綾里・吉浜両診療所は、地元出身のお医者さんがUターンし、常駐医師として勤務していただけることになりました。
 今後は全国的な趨勢(すうせい)として、高齢化の進展とともに訪問医療、訪問看護が今まで以上に重要になってきますので、お医者さんの確保がますます重要になります。
 このようなことから、市としても大船渡市出身の医師の方々にはどのような方々がおられるのかを普段から知り、定期的にコミュニケーションを図ることにより、いざという場合には、地元にUターンしていただくことを相談できる体制づくりが大変大切であると考え準備を進めています。
 このような分野でも市民の皆さんとの協働が必要になってくる場合が今後でてまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 



平成30年1月9日号広報掲載 前回へ   ▲次回へ

国際リニアコライダー(ILC)の誘致推進について

 今回はこの地域も関係する大きな夢についてお話しします。
 それは、現在関係者が一丸となって取り組んでいるILC国際研究所の誘致についてです。誘致場所は、一関市の東部を中心に気仙沼市から北上市東部にまたがる北上山地です。
 ILCは「International Linear Collider」の略称であり、直訳すると、「国際直線衝突型加速器」となります。電子と陽電子を光速に近いスピードで衝突させるとさまざまな素粒子が発生しますが、それは宇宙の始まりといわれるビッグバンを人為的に発生させることにつながり、その状況を研究することにより宇宙の謎に迫ろうとするものです。
 宇宙物理学者によると現在の宇宙は、人類が把握している宇宙全体の約4%の物質のほかに、暗黒物質約26%、暗黒エネルギー約70%から成り立っているといわれています。ILCはこのような暗黒物質・エネルギーなどの解明にもつながる可能性もあり、宇宙物理学をはじめ科学技術のさらなる発展につなげようとするものです。
 ILC国際研究所が実現されると、ハイテクを駆使した研究施設の建設、それを運営する国際組織などが設立されます。これにより地域には、経済的・科学教育的・文化的な、そして日本ひいては国際社会には、文明的に大きな波及効果が期待されます。
 とりわけ、建設予定地に近い気仙地区・大船渡にとっては、
・土木・建築などの建設工事そのものへの参加
・海外および国内遠隔地からのILC本体機器の陸揚げと保管、関連事業所などの進出
・建設予定地までの運搬路である国道343号・397号・107号などの改良整備
・世界各国からの研究者と家族の旅行・国際交流などを通じた地域経済の振興と国際化
・若い意欲のある人たちにとっては、研究者・技術者・スタッフとしての働く場であること
など、多岐に及ぶことが期待されており、今まさに取り組んでいる地方創生に最大の波及効果をもたらすものと考えられます。
 このようなILC国際研究所の誘致活動に参加すべく、市としては「東北ILC推進協議会」「岩手県国際リニアコライダー推進協議会」に加盟し、市役所の坂に“国際リニアコライダーを東北へ”の横断幕を掲げ、県内各地で行われた講演・シンポジウムなどに参加するとともに、市内でも関連する団体とともに講演会開催などに取り組んできました。
 最近、国際組織からの勧奨も受け、本年は政府が誘致の決断をすべき年と考えられることから、昨年12月1日に庁舎内に「ILC推進室」を設置し関連する施策の準備を進めることとしました。
 今後は、政府の決断に向けて、関係諸団体と連携を強めながら活動を強化してまいりますので、ご理解・ご協力をよろしくお願いします。 



平成29年12月5日号広報掲載 前回へ  ▲次回へ

30・10(サンマル・イチマル)運動を行いませんか?

 大勢の皆さんが参加する夜の懇親会で感じていることです。せっかく提供された料理の多くが残されたまま、中締め・解散になることが数多くあり、大変もったいないことだと強く感じています。
 懇親会では、乾杯の音頭が終わり、料理が提供され箸を付け始めたころから、飲み物のビンを持った人が一人二人と現われ、あちこちのテーブルを回っては、親しい人へのお酒つぎが始まります。さらに時間がたってくると会場内はお酒を持って歩き回る人が増えてきます。私の席にも、多くの人がお酒をつぎにきますので、あまり食事はできないのが実情です。
 時間の経過とともに、各テーブルには料理が次から次へと運ばれ、テーブル一杯になります。やがて、中締めの時間になる頃には、テーブルには、手を付けられたお皿、手が付けられなかったお皿、盛り皿が所狭しとなるのが常です。私としても、あまり食事ができず、自宅に戻ってから、妻の手料理で不足分を補うのが常です。
 国の食糧自給率は魚介類を含め40%弱で推移していますので、このような光景を見るにつけ、もったいなく何とかならないものかと感じています。
 どうしてこのような状況になっているのかですが、日本では会の目的と提供される料理がミスマッチの場合が多いからです。懇親会は、参加者が親しく会話をしながら交流することが目的です。一方で、提供される料理は本格的な食事会向けのコースが用意されている場合がほとんどです。ここがミスマッチなのです。欧米の国ではこの二つを使い分けています。懇親会目的の場合には、立ち席でお酒とつまみ程度のものが運ばれてきます。本格的な食事会の場合には決められた席で、最後まで隣同士で会話を楽しみながら、コース料理を楽しみます。
 このようなミスマッチを解消する意味から、市が主催する行事に付随する懇親会では30・10運動を行っています。これは、乾杯後の30分間と中締め前の10分間は、同じテーブルの皆さんと会話を楽しみながら食事をしましょうというものであり、会の最初に説明しご理解とご協力をお願いしています。最初の30分間と最後の10分間の間の時間は同じテーブルの皆さんと話しをするも良し、別テーブルを回るのも良し、ということです。
 市の行事ではこの取り組みを平成28年度後半から始めており、もったいないことが少なくなってきており、今後とも継続してまいります。
   市内関係者の皆さんも、もったいない状況を解消する意味から、30・10運動に取り組んでいただき、忘年会シーズンを快適に過していただければと思います。

 


 


平成29年11月6日号広報掲載 前回へ   ▲次回へ

復興需要ピークは過ぎましたが、市内経済は元気です

 東日本大震災から、6年半余りが過ぎ復興事業の進ちょくに伴い、市内を走るダンプ数も相当減りました。市の復興事業は、大船渡駅周辺の新たなまちづくりと各地区における被災跡地の利活用を除けば、おおよそ平成30年度中に終了する見込みです。
 今後の大きな課題は、復興需要で約1.5倍に拡大した市内経済規模や市民所得を、復興需要収束後もできるだけ同じレベルで維持し続けることです。これは、若者の所得を増やし、結婚しやすくし、少子化高齢化人口減少に歯止めをかけるためにも、高齢化社会を乗り切るためにも、極めて大切です。
 最近10年間の市決算資料・市統計書などにより市内経済規模・市民所得・市税の状況などをみると、興味深い結果となっています。
・復興需要は、市歳出決算総額では平成24年度が、復旧復興費では平成25年度がピークでした。
・法人市民税は平成25年度がピークですが、その後は震災前よりも高いレベルを維持しています。
・個人市民税は、平成29年度が現時点でのピークであり、震災前よりも高くなっています。
・市民所得については、平成26年度(約300万円、震災前は約200万円)までしか発表されていませんが、平成29年度の個人市民税が今まででのピークであることを踏まえると、平成27年度以降、市民所得も良いペースで推移してきているものと想像させられます。
 大切な事は、復興後も市民所得のこの傾向を維持していくことです。そのためには「仕事づくり」の取り組みが大切であり、行うべきことが実にたくさんあります。いくつかをご紹介します。
 一つ目は、新たな事業所の立地を促進することです。市としても市中心部の区画整理地区と各地区被災跡地の有効活用の面からも、情報発信し、事業所進出などの機会を提供しているところです。その成果として、市中心部ではJR大船渡線の海側では新たな商店街が姿を現しにぎわってきましたし、末崎町の小河原地区に大型トマト栽培施設の建設工事が予定されています。
 二つ目は、起業支援、起業者・若手経営者への人材育成事業などを毎年継続して行うことです。これは時間がかかりますが、経済体質強化につながり、良い影響をもたらします。
 三つ目は、復興需要の収束に伴い、業種間で人材移動が発生する際に、職業訓練をしっかり行うことです。継続して行うことにより、大きな効果をもたらします。
 復興需要の収束に伴い、今後はこのような分野に今まで以上に注力し続け、本格的な復興につなげてまいりますので、皆さんのご理解・ご協力をよろしくお願いします。
 



平成29年10月5日号広報掲載 前回へ  ▲次回へ

大船渡市の情報公開度は県内自治体で2位です

 先日、地元紙の一面に県と県内市町村34自治体についての本年の情報公開度ランキングが報道されました。これは市民オンブズマンいわてが、平成21年以来8年ぶりに調査し発表したとのことです。
 調査は次の5分野で行われ、合計点が100点満点換算される方式で評価されたとのことです。
・情報公開条例の内容
・情報公開の実施機関
・議会の情報公開
・情報のホームページでの公開
・財政の公開
 その結果、ランキングは1位(一関市73点)、2位(大船渡市・花巻市67点)、4位(岩手県64点)、5位(北上市63点)などでした。
 組織や社会の発展を根底から支えているのは、教育・科学技術の発展などとともに、情報・交流などがあげられます。
 とりわけ市民と行政との関わり合いから重要なものは、市民との情報共有であり、行政からの情報発信であり、市政の透明化であり、市議会とのさまざまな場面を通じたコミュニケーションの進化・深化などです。
 このような思いから7年前の市長就任以来、事あるごとに、情報共有・情報発信・市政透明化・市議会とのコミュニケーションなどの大事さを市職員や市政関係者と共有しながら、時には率先垂範し、時には改善指示を出し、時には改善の申し出でをしつつ、今日まで務めてきました。あれから7年が過ぎました。継続は力といいますが、情報公開度は小生就任時と比較して大きく様変わりしてきたと思います。
 そして、このたび本市が上位にランクされたことは、今後の市勢発展上において大変喜ばしく、ここにあらためて関係者の皆さんの日頃のご努力に敬意を表し感謝申し上げます。
 市としては、更なる発展のために、常に上位ランクにあることが望ましいことは言うまでもありません。今後とも、情報公開上不足している点、市民の皆さんからいただいた関連する指摘などについて、真摯に調査・検討などを行いながら、継続して改善に努めてまいりますので、関係者の皆さんのご理解・ご支援をよろしくお願いします。
 



平成29年9月5日号広報掲載 前回へ  ▲次回へ

市では中学生による英語検定への挑戦を支援します

 市ではこのたび、国際化の進展を踏まえ、中学生による英語検定試験の受験を支援することとしました。
 国際交流の共通言語である英語は、今後もますます重要になります。
 しかし、最近の新聞報道で、中学校における英語教師と生徒のある一定水準以上の英検取得率についての都道府県比較では岩手県は大きく遅れをとっていることが分かりました。さらに、県の調査で、市内中学生の英語の学力が県平均を上回る一方で、英検3級の取得率が県平均を下回っていることを知り、「これではいけない!」と思いました。
 英語に遅れをとるということは、個人・地域の国際化、ひいては社会の発展に大きくマイナスになります。
 大船渡における国際交流をみますと、震災後は相当活発に行われています。最近の事例を挙げますと、アメリカ・イギリス・中国からの国際捜索救助隊の受け入れ、外国人ボランティアの受け入れ、被災地の高校生・大学生によるアメリカの大学へのサマースクール留学、アメリカとの野球少年交流、アメリカの大学による出張サマースクール交流、三陸国際芸術祭、技能実習制度による外国人研修生の受け入れなど、多くの皆さんが関与しており、市民の国際化マインド・地域の活性化などの面でも大きな効果が生まれています。
 今後、国際交流がますます盛んになります。まずは、外国人観光客についてですが、今までは北海道と首都圏以西が主な訪問地でありましたが、今後は東北地方も訪問地にすべく、国をはじめ各地での誘致活動が本格化しています。釜石市でも開催される「ラグビーワールドカップ2019」「東京2020オリンピック・パラリンピック」などの際には多くの外国人観光客が、復興しつつある東北の被災地にも足を運び、その光景に感動するでしょう。本市においても、復興しつつある新たなまちをアピールする時期になりつつあります。外国人観光客・外国客船の受け入れに今まで以上に注力していきますので、ご理解ご協力をよろしくお願いします。
 さらには、国際プロジェクトとして、奥州市・一関市・気仙沼市に至る北上山地を建設候補地とする「国際リニアコライダー(ILC)計画」があります。政府が誘致の決断をすれば、さまざまな国際協力を通じて、十数年後には素粒子物理学の最先端の研究拠点が形成されるものです。その地域には海外からの研究者・家族・技術者などのための新たなまちが生まれ、その周辺部の市町村をはじめ県・東北に、さまざまな国際交流を通じて文明的・文化的な大きな刺激とさらなる国際化をもたらすことでしょう。研究拠点には、科学者、技術者、関係職員などとして、きっと本市出身者も活躍することでしょう。
 ですから、今後も早くから英語力を高めておくことが、大変重要になってきます。
 中学生の皆さんにはぜひ英検に挑戦の上資格を取得し、自らの将来を切り開く力の一つとなることを心から念願しています。


 
平成29年8月7日号広報掲載 前回へ  ▲次回へ

大雨被害が多くなってきました。天気予報に留意しましょう!

 ここ数年、「平成27年9月関東・東北豪雨」「平成28年台風10号」、そして本年7月の「九州北部豪雨」のように豪雨による被害が大きく目立ってきました。被害状況がテレビ・新聞などで報道されましたので、皆さんの記憶も鮮明のことと思います。
 特にも、「平成28年台風10号」と「九州北部豪雨」については、山沿いの集落と下流のまちが想像を絶する大きな被害を受けました。ここに改めまして、お亡くなりになられた方々・被災された方々にご冥福と共にお見舞い申し上げます。
 7月7日には、直ちに日本赤十字社岩手県支部大船渡市地区として「九州北部豪雨」に対する義援金募集活動(市の施設内に募金箱を設置)を始めましたので、多くの皆さんのご協力をお願いします。
 本市をはじめ国内各地には同様の地形が各所にありますので、豪雨による同様の大災害はどこでも発生し得るのではないかと考えさせられます。
 このようなことから、昨年8月の「平成28年台風10号」による被害を受け、国においては避難勧告等の発令の仕方を、わかりやすいように変更しました。
・避難準備情報→避難準備・高齢者等避難開始
・避難勧告→避難勧告
・避難指示→避難指示(緊急)
 ところで、今回報道された豪雨地区での避難勧告等の発令のタイミングをみますと、居住地域に洪水として現れ始めてからの場合が多いようでした。これは、山中の降雨状況をいち早く入手し下流に被害が及ぶ前に避難勧告等を発令することは、それだけ難しいことだと考えさせられもします。
 このような事例を見るにつけ、豪雨についても行政と住民の皆さんによる双方の対応が必要です。行政としては、たとえ避難勧告等の発令が無駄になることがあったとしても、発令をためらい避難が遅れることで助かる命を落としてしまうことは絶対に避けなければなりませんので、タイムリーに発令の決断をするよう心掛けてまいります。一方で、住民の皆さんとしても、行政からの避難勧告等の発令前であっても、豪雨の異常さを感じ取りながらいち早く避難行動を起こすべく、常日頃より避難場所とそこまでの避難ルートを確認しておくことも大切です。
 地球温暖化による厳しい気候の時代が既に始まっています。行政による早期の避難勧告等の発令は元よりですが、自分の身は自分で守る市民意識もますます重要になってきていますのでご理解いただきますようお願いします。


 
平成29年7月5日号広報掲載 前回へ  ▲次回へ

水産資源管理の動向にみんなで留意しよう

 大船渡市魚市場への震災前14年間の水揚げ量の年度平均は約4.8万トン強でした。震災直後は3万トンまで落ち込みましたが、平成26年度には約5.3万トンまで回復しました。ところが、27年度4・2万トン、28年度3.6万トンと大きく減少してきています。このため、漁業者・魚市場・買受人はもとより、小売・水産加工業界では販売鮮魚と加工原魚の確保に厳しい状態が続いています。

 水揚げ量が減少してきた理由は、よく分からない面がありますが、海の環境変化、海水の温暖化による魚種の変化、黒潮の蛇行の影響による寒流系魚種の沖合回遊、日本の排他的経済水域外の公海上における他国の漁獲高の激増などが言われています。

 しかしながら、その分野の専門家・水産庁情報などを見る限りでは、水産資源の管理不足が主な要因であるとされています。

 ちなみに大船渡市魚市場における主要魚種の10年前と昨年の水揚げ量を比較すると、サンマ・サケ・イカ・サバ・イサダ・カツオなどは、年毎に増減はありますが、1割から9割方減少する一方で、ブリ・サワラのように、増加している魚種も見られます。このような水揚げの約4分の1が漁業協同組合などによる定置網、4分の3が沖合漁業などによる漁船漁業によるものです。

 震災から漁業・水産加工業ともほぼ復旧・復興した今日ですが、仮にこのような傾向が続くと、漁業・水産業を基幹産業とする本市にとっても、三陸沿岸のまちにとっても大変由々しいことです。現状を打破し地方創生につなげていくためにも、国による科学的で合理的な水産資源管理をより一層強化し水産資源を増加させ、漁業・水産業の業績向上・所得向上につなげていくことが極めて重要です。

 平成27年の広報大船渡11月号と12月号で、水産資源管理について触れた際に、「市は三陸沿岸都市会議・岩手県市長会を通じて平成25年度から国に水産資源管理を要望したところ、国は平成26年度より水産資源管理に舵を切った」と報告しました。

 以来、新聞報道・水産庁ホームページなどによりますと、本格的な資源管理が少しずつ動き始めた観があります。

 そのような中、平成29年4月に策定された国の水産基本計画では本格的な資源管理の方向性が打ち出されました。先日、岩手県市長会・三陸沿岸都市会議を通じ山本農林水産大臣にお会いし、水産資源管理を一層推進していただくよう要望してまいりました。

 今後とも、国の水産資源管理の動向と実際の水産資源の状況を注視してまいりましょう。


 
平成29年6月5日号広報掲載 前回へ  ▲次回へ

市内にはこのようなスポットがあります~桜・ハナミズキ・千年広場・ツバキ~

 大船渡駅周辺地区では、昨年3月13日と本年4月29日に、第一期・第二期まちびらきを行いました。

 第一期まちびらきでは、アメリカ合衆国から国樹「ハナミズキ」が寄贈され、また第二期まちびらきでは、宝くじの社会貢献広報事業の寄贈を受けて日本さくらの会から「桜」が提供され、それぞれ植樹されましたので、概要を報告します。

 1912(明治45)年に、日本からアメリカに日米友好の証として約3,000本の桜が寄贈され、首都ワシントンのポトマック河畔に植樹されました。以来100年、今では全米の桜の名所として満開時には多くの人出で賑わっています。100年後の2012(平成24)年に、今度はアメリカから日本に対して約3,000本のハナミズキが寄贈され、受け入れを希望した約50自治体に寄贈されたと伺っています。寄贈にあたりアメリカ大使館でケネディ前大使との懇談会が催され、私も参加しお礼を述べてまいりました。

 昨年の第一期まちびらきではセレモニーに先立ち、アメリカ大使館・米国海軍の関係者もお招きし、ハナミズキの植樹式を行いました。本市にとって誠に光栄であり記念すべきものとなりました。植樹した場所は、大船渡駅前交通広場とその周辺道路などです。

 第二期まちびらきにおいてもセレモニーに先立ち、(公財)日本さくらの会理事長、初代・第4代・現(第26代)日本さくらの女王などが参加し、桜の植樹式が行われました。日本さくらの会は1964(昭和39)年、東京オリンピック開催の年に日本の花「桜」の愛護、保存、育成、普及などを目的に超党派の国会議員有志により設立され、歴代衆議院議長が会長を務められています。創設以来50年余りになりますが、この間、国内で約320万本、海外で約60カ国に15万本もの桜植樹を行っている由緒ある組織です。今回の植樹も本市としては誠に光栄です。植樹場所は桜橋を挟んだ須崎川の両岸です。

 また、キャッセン・モール&パティオの須崎川沿いの(株)キャッセン大船渡の「千年広場」の計画は、昨年秋に開催された第27回「緑の環境プラン大賞」において、シンボルガーデン部門の国土交通大臣賞を受けました。そしてスポンサー企業の第一生命(株)から約1,000万円が(株)キャッセン大船渡に助成され、樹木と芝生を中心とした広場が整備されました。

 5月26日には、キャッセン・モール&パティオとフードヴィレッジで、資生堂ジャパン(株)の復興支援の一環として、「椿の里大船渡」再生のため、(一社)日本ツバキ協会と(一社)岩手県造園組合の協力を得て、ツバキの植樹式が行われました。資生堂ジャパン(株)には2012(平成24)年から、福祉の里センター周辺などで、ツバキの植樹をしていただいています。

 ハナミズキ・桜・千年広場・ツバキなど、本市の復興は国内外の多くの皆さんからの励ましを受けています。これらは植樹されたばかりですが、年々成長し周辺に素晴らしい景観をもたらすとともに、春には開花し多くの人々に潤いと復興の喜びを与えながら、本市の特徴あるスポットに成長してゆくことでしょう。


 
平成29年5月8日号広報掲載 前回へ  ▲次回へ

消防団の将来の担い手を確保・維持するために

 いまさら言うまでもありませんが、消防団は市民の生命・身体・財産を火災・自然災害などから守り、安全安心な市民生活を維持することが使命です。
 
 東日本大震災では、防潮堤水門の閉鎖、避難の呼び掛け、地区本部の運営、行方不明者の捜索、避難所の維持など数多くの重要な働きをしていただきました。

 このような消防団の働きが、大船渡が復旧・復興し立ち上がる契機となったと言っても過言ではありません。改めて、心から敬意を表し厚く御礼申し上げます。

 ところで、気になることがあります。消防団員数が減少しているということです。ここ1年間で30数人の団員減少があったと聞いています。人口減少時代ですので、団員減少もある意味ではやむを得ない面があるかもしれません。しかし、これだけ大事な使命を持った組織ですので、何としてでも必要な団員数は確保しなければなりません。

 団員数確保のために、小学生に消防団について知ってほしい、特に、小学校6年間のうち1回で良いので、消防出初式を参観してほしいと考えています。

 出初式当日、私は消防総監として観閲台から、まとい振り、ラッパ隊、消防ポンプ車、団員などの堂々とした行進に対し敬礼を繰り返します。そのとき、市民の安全・安心を守る消防団の心意気に毎年大きな感動を覚えています。

 ましてや、小学生が見たら幼な心なりに格別の印象と感動を覚え、それが一生心に残ることでしょう。

 見ている児童たちはきっと「近所のお兄さんたち・おじさんたちが、あんなに格好良く、まとい振りしていた!ラッパ吹奏行進していた!消防自動車と団員が堂々と行進していた!僕も大きくなったらやりたいな~!」と思うに違いありません。そして、それが将来の入団につながり、ひいてはさまざまなまちづくり活動にもつながっていくのでしょう。

 仮に小学生に参観してもらうとしたら、市内には小学校が11校ありますので、毎年2校ずつ参観すれば6年間で一巡りし、学校にも保護者にも大きな負担にはならないものと考えられます。

 この件については、近々関係者で協議し、方向性を打ち出したいと考えています。関係者の皆さんのご理解とご協力をお願いします。 


平成29年4月10日号広報掲載 ▼前回へ  ▲次回へ

東日本大震災から7年目を迎えて

 大震災から7年目に入り、この間、国内外の多くの皆さんから心温まる励ましと支援を受けつつ、市民との協働により復興計画は着実に進展してきました。

 約260の復興事業のうち、現在7割強が完了または事業目的を達成し、残り3割弱に取り組んでいます。金額的には、平成29年3月末で約8割まで進んできているものと推測しています。

 住宅再建については、災害公営住宅の建設が昨秋完了し、防災集団移転促進事業は今夏で完了予定です。また、自力再建についても大きく進ちょくしました。

 住宅再建に応じ、応急仮設住宅の縮小が進められ、6つの小中学校の校庭の応急仮設住宅撤去は昨年12月までに完了しました。残る2つの中学校は今夏には校庭が使えるようになります。

 応急仮設住宅の供与期間の一律延長は平成30年3月末までとなり、同年4月からは特定延長制度へ移行する予定です。

 被災した小中学校3校も完成しました。ほかの地域公民館整備、漁業集落のかさ上げ、漁港復旧、道路新設、消防屯所建設などの事業は、平成30年度でほぼ完了する見込みです。

 ただし、例外が2つあります。それは大船渡駅周辺地区のまちづくりと、住宅建設を禁止・規制した大船渡駅周辺地区以外の被災地域(災害危険区域)の利活用です。

 大船渡駅周辺地区では、特にJR大船渡線より海側で新たなまちづくりが進められており、5月の連休前には山側の仮設商店街が海側の新しい店舗に移転します。その後、仮設店舗を解体し、かさ上げ、道路・宅地整備を進めます。あと2年くらいかかります。

 大船渡駅周辺地区以外の被災地域では、高台移転で市が買い取った土地と民有地が混在しており、その利活用が今後の課題です。12地区のうち、10地区では利活用の方針が定まり動き出しています。あと2地区は住民や関係者の皆さんと協議を進めているところです。

 復興も収束の時期を迎えつつある中、震災前よりも高いところに軟着陸させることが大変重要です。その意味は、次の3つです。
(1)震災前よりも経済が元気で市民所得も高いこと
(2)減少してきた子どもの出生数が今後は少なくとも減らない傾向であること
(3)今後数十年間深化する高齢化社会に適した助け合いのある地域づくり・まちづくりをすること(地域包括ケアと地域助け合いのまちづくり)

 このように極めて重要な時期を迎えていますが、市民の皆さんとの協働を深め全身全霊をもって取り組んでまいりますので、震災復興と同様に今後もご理解とご協力をお願いします。


 

平成29年3月6日号広報掲載 ▼前回へ ▲次回へ

全国住みたい街ランキング2016年版 本市は全国58位・東北5位に!

 平成27年9月7日発行の広報大船渡で、「生活ガイド.com」の「全国住みたい街ランキング2014年版」の結果についてお知らせしましたので、記憶に残っている人も多いと思います。

 1月末に、「全国住みたい街ランキング2016年版」が発表され、本市の結果は次のとおりでした。
・全国58位(2014は89位)
・東北5位=仙台、弘前、青森、盛岡、大船渡の順(2014年は3位=仙台、盛岡、大船渡の順)
・参考までに東京より東にある街のランキングでは、札幌、仙台、函館、小樽、千葉、船橋、さいたま、弘前、つくば、浦安、青森、越谷、盛岡、大船渡の順です(大船渡以外は10万人以上の大都市ばかりです)。

 全国順位が大幅に上昇したことは大変喜ばしいことです。「なぜ大船渡の順位が高いのか?」と感じる人も多いかと思います。私は次のとおり推測しています。
・元気で前向きな取り組みが市民・行政レベルでともに多く、全国に向けて多くの情報が発信されていること
・復興が着実に進展し、復興支援を受けた国内外の関係者と強い絆ができていること
・海・山・まちの調和がとても良く、海の幸・山の幸が豊富であること

 以上のようなことが評価されたのだと考えています。皆さん自信を持ちましょう!

 なお、「生活ガイド.com」による全国都市比較項目の順位情報によりますと、本市は次の4つの項目で1位の結果が出ました。
・保育所入所待機児童数
・小・中学校の光ファイバー回線によるインターネット接続率
・小・中学校の30Mbps以上の回線によるインターネット接続率
・小学校の電子黒板のある学校の割合

 その他、産婦人科医師数(15~49歳女性1万人当たり)が61位、刑法犯認知件数(人口千人当たり)が62位という結果でした。

 このように全国住みたい街の上位にランキングされることは、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に取り組んでいる市としても、大変重要です。

 今後も市民と協働して、「前向きな取り組み」に数多く挑戦しながら「まちみがき」と情報発信に努めたいと思います。市民の皆さんのご理解とご協力をお願いします。


 
平成29年2月6日号広報掲載 ▼前回へ ▲次回へ

5年も努力すればガラッと変わります。継続は力なり。 

 東日本大震災からの復旧・復興に注力する一方、市政目標「多様な地域課題の克服に挑戦し、産業経済を振興し、市民所得の向上と人口減少の歯止めに全力を尽くします」をも意識しつつ市政運営をしてきました。今回は「5年間も努力すればガラッと変わる」ということを報告します。

 その最たる事例として国民健康保険事業があります。この保険事業は毎年赤字続きでした。また、赤字を埋め合わせるための国民健康保険財政調整基金は、合併の翌年度に約7億円ありましたが、毎年の赤字を億単位で補充し続け、市長就任時には37万円しか残らない状況でした。

 そこで、この赤字を改めるべく、平成24年度に国民健康保険税の値上げを検討し、その値上げ率を計算したところ何と52%との結果がでました。大震災直後でもあり、いきなり全額での値上げは厳しいため、その半分の26%を市議会に提案したところ、いろいろな議論のうえ、議決していただきました。

 以来5年間が過ぎようとしていますが、これまでさまざまな努力をしながら、26%の値上げで保険事業の黒字を維持しています。

 黒字維持の大きな要因に後発医薬品の利用向上があります。利用率は保険税値上げ時の40%代から、皆さんへの度重なる利用勧奨により、現在は約70%まで上がりました。これ以外にも、医療費削減の広報活動、健康推進活動、保険費用請求書のチェック強化、平成28年度から開始の医療・介護のICT連携(未来かなえネット)などの取り組みが挙げられます。これらが総合的に効いて無駄の排除・効率化が図られ、以来黒字を維持し続けています。

 今後は残り26%の値上げをしなくても済むよう、そして財政調整基金への積み立てができるよう、医療・介護のICT連携に引き続き取り組み、二重の調薬や検査などを回避し、健康保険事業の健全化に努めてまいりたいと考えています。まだ未来かなえネットへ未登録の人は、早期に登録をされるようお願いします。

 「5年も努力すればガラッと変わる」という事例はこの他にもありますが、特にも「復興計画の進ちょく」「市の情報発信」「市・市議会・市民間での情報共有」「市民・行政の協働」などが挙げられます。

 多くの市民の皆さんが、さまざまな課題の克服に取り組んでいると思いますが、このように継続した努力によりガラッと変わりますので、自信を持って前に進んでいただきたく思います。 


 
平成29年1月6日号広報掲載 ▼前回へ ▲次回へ  

人口減少ストップには長い年月がかかります

 少子高齢化と人口減少は1970・80年代あたりから意識され、取り組みもされてきたところですが、これといった効果が現われず今日を迎え、国の最大課題になっています。

 これを踏まえ、政府は平成27年に全国の自治体に「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定を求めました。本市でも呼応・策定し、平成28年度から具体的に取り組みを開始しました。このような中で最近特に強調していることがあります。それは人口減少に歯止めをかけるには長い年月がかかるということです。

 国における将来人口推計は、何もせずこのままの合計特殊出生率が続いた場合には、2100年頃には約4,300万人になることが予測されています。

 これを避けるため、国としての創生総合戦略における人口ビジョンでは、2040年に合計特殊出生率2・1を達成し、それを維持し続けて、2100年頃に人口約9,000万人で減少がストップする計画としています。

 なぜ、2・1を達成してから60年くらいかかるのでしょうか。

 それは、世の中は3世代か4世代からなっていますので次の理由によります。人口減少がストップするためには、世の中の世代全てが合計特殊出生率2・1の環境下で生まれることが必要です。1世代目が合計特殊出生率2・1の環境下で産まれ、それが維持され続け、おのおの2世代目は約30年前後、3世代目は約60年前後、4世代目は約90年前後に生まれます。よって、人口減少にストップがかかるのは60年程度かかるということになります。

 ちなみに、本市の合計特殊出生率は2014(平成26)年で1・63でした。2015(平成27)年はさらに上昇する見込みです。そして2025(平成37)年に2・1を達成する計画ですが、その後2・1を約60年間維持し続けて初めて人口減少がストップするということです。

 ただし、これには人口の流出と流入が均衡しているという条件があります。このように、少子化と人口減少に歯止めをかけることは長年の努力が必要です。

 ですから、今後は少なくとも毎年生まれる子どもの数が減少傾向にならないように、市民・行政みんなで子ども・子育ての支援をしていくことが求められています。

 「前年の出生数を確認しながら、新たに打ち出す子ども子育て支援策について知恵をしぼる。これを毎年繰り返し生まれる子どもが減らないよう、できれば増えるようにする」という取り組みが、長年続いてまいります。市民の皆さんのご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。


平成28年12月5日号広報掲載 ▼前回へ ▲次回へ 

災害公営住宅整備事業が全て完了しました

 既に新聞報道されましたが、住宅再建の大きな柱である災害公営住宅整備事業が9月末をもって全て完了しました。

 市内の災害公営住宅は、市建設分16団地290戸・県建設分9団地511戸・合計801戸であり、平成24年7月から順次着工してきました。最初に完成したのは市建設の田中東災害公営住宅であり、安倍総理大臣も被災地視察の一環として完成直後に訪問されました。以来、各地区の災害公営住宅が順次完成し、最終は9月末に完成した県建設の盛町の下舘下災害公営住宅です。このように、着工以来4年を経て801戸全てが完成しました。

 これもひとえに地権者、岩手県、UR都市機構、設計事務所、建設会社、建設工事関係者、地域の関係者の皆さんのご尽力・ご協力があったればこそであります。ここに改めて関係者の皆さんに対し、市民を代表して心から敬意を表し厚く御礼申し上げます。

 さて、もう一つの住宅再建の柱である防災集団移転促進事業につきましては、市内で全21地区32団地ありますが、30カ所が既に完成・引き渡しされ住宅が建設されています。残り2カ所の住宅団地は、来年半ばの完成を目指して敷地造成工事を急ピッチで進めていますので、引き渡し予定の皆さんにはご面倒をおかけしますが、今しばらくお待ちください。

 このように、住宅再建にめどが立ってきましたので、市では、市内に建設された応急仮設住宅の使用期限を平成30年3月末とする方針です。ただし例外があります。それは期限時点で、自宅が建設途上である皆さんなどです。このような皆さんは平成30年3月末を過ぎても移転先が完成するまで、入居し続けることができます。これを特定延長といいます。

 このように応急仮設住宅の使用期限は1年4カ月後となりますが、気になるのは住宅再建方法がまだ決まっていない応急仮設住宅入居世帯が、10月末現在で90世帯余りいることです。市ではこのような世帯に対し、応急仮設住宅支援協議会の活動を通じて、住宅再建・移転先決定などについて、個別の伴走型相談・支援を行っています。一方で、災害公営住宅などに約90戸の空きがありますので、そちらに入居できる余地があるということを皆さんにお伝えしておきます。このようなセーフティネットがあった上での応急仮設住宅の使用期限設定であることをご理解いただきたくお願い申し上げます。


平成28年11月7日号広報掲載 ▼前回へ ▲次回へ

「さんまでギネス世界記録®」を達成しました

 10月9日に大船渡市魚市場で開催した第30回三陸大船渡さんままつりで、さんま1,260匹を使用し、「最も長い食用魚の列」の分野でギネス世界記録®を達成しました。

 以前の記録は平成26年12月に認定された三重県鳥羽市のタイの開き1,000匹でした。

 今回、子ども連れの家族をはじめ、市内・県内・国内各地・遠くは九州・関西から300人を超える皆さんに参加していただきました。ご参加いただいた皆さんに改めまして厚くお礼申し上げます。

  さて、ギネス世界記録®への挑戦は「さかなグルメのまち大船渡」の取り組みのひとつとして行われたものです。この取り組みは市民有志による「さかなグルメのまち大船渡実行委員会」と市役所内組織「さかなグルメのまち大船渡地域振興委員会」の協働により、平成27年度から地域資源を生かした本格的な復興への活動の一環として始めたものであり、当面は主力魚種さんまをテーマとして、さまざまな取り組みを行っています。具体的な取り組みを実施順に並べると次のとおりです。

 ・さんま焼き師認定試験=7月16・17日/全国から応募があり、受験者84人全員が合格
 ・さんま船出船式=8月17日/蛸ノ浦漁港、多くの市民が参加
 ・さんま一番船入港式=8月24日/大船渡市魚市場、大船渡小学校4年生も参加
 ・さんま直送便出発式=9月5日
 ・さんまレター=小中学校児童生徒による手紙を直送便に同封、国内各地より大きな反響
 ・さんま焼きによる熊本地震復興応援=9月14日/熊本県南阿蘇村
 ・三陸・大船渡東京タワーさんままつり=9月22日/雨天にも関わらず約1万人来訪
 ・さんま給食=9月30日/大船渡小学校など、市内小・中学校にて
 ・三陸大船渡さんままつり=10月9日/大船渡市魚市場南岸壁上屋にて
 ・さんま大漁旗コンテスト=10月9日/小学生327作品、入賞10作品選定
 ・さんまによるギネス世界記録®達成
 ・さんまの話の本づくり=平成28年度中の完成を目 指し現在編集中

 このように、「水産のまち大船渡」「さかなグルメのまち大船渡」をその都度全国に向け情報発信することができました。関係者の皆さんのご尽力に心から敬意を表します。市としましては今後とも、市民の皆さんの新たな知恵をお借りし、進化させながら継続的に取り組んでまいりますので、ご理解とご協力をよろしくお願いします。


 

平成28年10月5日号広報掲載  ▼前回へ ▲次回へ

生まれてくる赤ちゃんが減らないように

 少子高齢化で地域・国の将来が懸念されています。仮に今後生まれてくる赤ちゃんの数が減らないとしても、生産年齢人口は約60年間も減り続け、年々社会が厳しくなっていきます。これに立ち向かうためには人口流出の減少、女性・高齢者の活躍、外国人労働力の活用など、施策はいろいろありますが、根本的には生まれてくる赤ちゃんがこれ以上減らないようにすることが最も大切です。

 そのような意味から、私としても市政目標として「多様な地域課題の克服に挑戦し、産業振興を推進して、市民所得の向上と人口減少の歯止めに全力を尽くします」を掲げ、市民の皆さんのご協力のもと、継続して努力してまいりました。

 そのような中、最近数年間の合計特殊出生率・出生数を見ますと、底を打ちつつあるのではないかと思わせる結果になっています。問題は今後約30年間にわたって子育て世代の人口が減り続ける中、いかにして出生数が減らない傾向を実現していくかです。

 この長年の課題を克服するために、市は「大船渡市子ども・子育て支援事業計画」を策定し、以前からの子育て支援策に追加し、数々の新たな施策を開始しました。それは、保育料の第3子以降完全無料化、子育て支援拠点の新設、子育て支援専用ホームページの開設、大船渡市結婚相談・支援センターの開設、出産祝金支給事業、子育て支援パスポート事業、子育て用品貸与事業などです。今後も、子ども・子育て会議の議論を通じて、市民・事業所の皆さんとの協働で子育て支援の施策を強化してまいります。

 さらには、子育て世代の家計経済も大変重要です。現在、本市は復興需要により経済は活況で、市民所得も震災前より高くなっています。あと数年でこの需要も収束しますが、震災前の状況に戻るのではなく、一段と高い経済レベルに軟着陸させる必要があります。そのために、数々の新たな取り組みを進めています。

 このように本市は正念場を迎えていますが、子どもは地域の将来・国の未来を支える大切な宝です。子育て世代の人口が減っていく中で、少なくとも出生数が減少しないよう最大限の努力をしてまいります。今後とも皆さんのご理解とご協力をよろしくお願いします。 


 

平成28年9月5日号広報掲載  ▼前回へ ▲次回へ

英国と米国西海岸に震災支援のお礼に行ってきました

 7月中旬から1週間、関係機関・団体からの訪問要請を受け、英国・米国西海岸の国際捜索救助隊などを訪問し、支援へのお礼と復興状況の説明をしてきましたのでご報告します。

 7月17日朝、羽田空港を出発し、約12時間後の同日午後(英国時間)に英国のヒースロー空港に到着しロンドン入りしました。

 翌18日、総務省の外郭団体である自治体国際化協会ロンドン事務所(嶋所長)の会議室に、英国国際捜索救助隊の関係者18人(代表、ロイ・ウイルシャー氏、大震災直後に約70人の隊員が約1週間大船渡で支援活動)の皆さんに英国各地からお集まりいただき、5年間の復興の状況と今後の取り組みなどについて説明し、感謝状と記念品(大船渡市名入り大漁旗)を贈呈し親しく懇談してまいりました。

 翌19日には、バッキンガム宮殿近くにある日本大使館の鶴岡大使を表敬訪問し、出張目的と前日の様子を説明し大変喜んでいただきました。

 20日朝、ヒースロー空港をたち、約12時間後の同日昼過ぎ(米国時間)に米国西海岸ロサンゼルス空港に到着しました。21日午前、在ロサンゼルス日本総領事館を訪問し、今回の出張目的を説明しました。同日午後、外務省外郭団体の国際交流基金のロサンゼルス日本文化センター(原所長)においてLove to Nippon Project主催による一般公開フォーラムにて、感謝とともに5年間の復興の状況と今後の取り組みなどについて説明し理解していただきました。

 同日夕方には、地元の支援関係者の皆さんと夕食懇親会を開催しました。席上、支援をいただいた南カリフォルニア日米協会など(ダグラス・アーバー会長、市内小中学校に楽器を寄贈など)に感謝の印として記念品(大船渡市名入り大漁旗)と震災誌を贈呈しました。

 翌22日の午前中、ロサンゼルス郡消防局捜索救助隊(ダリル・オズビー消防署長、大震災直後に約70人の隊員が約1週間大船渡で支援活動)を訪問し、オズビー消防長と関係者に英国国際捜索救助隊と同様の説明を行い、感謝状・記念品を贈呈し親しく懇談してまいりました。

 このように1週間に及んだ英米出張でしたが、訪問先の関係者の皆さんには、当方からのお礼と復興状況の説明に理解を示され、心から喜んでいただくことができました。

 ロサンゼルス滞在中の市内案内では、本市出身のさんりく・大船渡ふるさと大使でロサンゼルス在住の鵜浦さんと、ご主人のTed田中さんに大変お世話になりました。

 ここに改めて感謝し、ご報告とします。 


 

平成28年8月5日号広報掲載  ▼前回へ ▲次回へ

市民所得が大きく向上しました

 私は1期目・2期目の市長選挙公報で市政目標として「多様な地域課題の克服に挑戦し、産業振興を推進して市民所得の向上と人口減少の歯止めに全力を尽くします」を掲げ、公約を設定しました。

 就任後3カ月余りで東日本大震災が発生したため、市政目標を復旧・復興に転換し、今日まで市民の皆さんとともに努力してきました。その途上、市政目標に掲げた多様な地域課題の克服への取り組みとともに、産業振興に資するための数々の新しい施策も取り入れ、今日まで継続してきました。私は「継続は力なり」という言葉が好きです。これは「継続して行うことにより成果が得られる」という意味があります。

 大震災から5年半がたちましたが、このように市民の皆さんとともに継続してきたことにより、ガラッと変わったことがいくつかあります。そのうちの1つをご紹介します。

 それはこの数年間で市民所得が大きく向上したということです。

 平成21年度の統計上の1人当たり市民所得は214万円で、これは県内33市町村中10位でした。このように大震災前は、市民所得の県内順位は10位前後でした。

 最近発行した平成27年大船渡市統計書によれば、平成25年度の市民所得は277万円で、県内順位も大きく向上しました。2つの年度を比較すると次のとおりです。

▽平成21年度=214万円、 県内10位
▽平成25年度=277万円、 県内5位(金ヶ崎→盛岡 →矢巾→北上→大船渡の 順)

 県内順位が大きく上がったことは復興需要と、大船渡産業経済界の頑張りを示していると思います。大震災から時間がたてばたつほど「大船渡の復興は他に比べて進んでいるようだ」という声が多く聞かれるようになりましたが、市民所得の向上具合をみてもうなずける話です。

 今後、復興需要の収束に伴い多忙な経済が震災前の経済に戻ってしまっては元も子もありません。「元気な経済をいかに持続させるか」に焦点が移ってきました。今後とも市民所得の向上に努力するとともに、まち・ひと・しごと創生総合戦略につなげ、将来に夢と希望を抱けるまちづくりを目指してまいりますので、市民の皆さんのご理解とご協力をお願いします。 


 

平成28年7月5日号広報掲載  ▲次回へ

温暖化防止の切り札「再生可能エネルギー」について考えてみます
 
 今回は温暖化防止の切り札である再生可能エネルギーについて考えてみます。
 
 政府は総電力量に占める再生可能エネルギーの発電量の割合を次のように決定しました。
 
・14年後の2030(平成42)年に26%、34年後の2050(平成62)年に80%とする
 
 この26%、80%という目標値は、日本全体の平均値です。関東・中京・近畿などの大都市圏では太陽光、風力、地熱などの再生可能エネルギー発電所の建設はほぼ不可能です。目標の達成には、自然豊かな地方が日本の平均値よりも多く発電しなければなりません。
 
 さらに今後は、電気自動車や燃料電池車の普及により、結果として電気の需要は倍増していくと予想されます。したがって、地方における再生可能エネルギー発電量の割合はその地方が使う電力量に対して、相当高くなります。
 
■地方での再生可能エネルギーの発電量の予想
 
・14年後=26%ではなく→大都市圏分含み50%程度?→電気自動車化開始により50%より更に多くなるだろう

・34年後=80%ではなく→大都市圏分含み160%程度?→電気自動車化終了により倍くらいの300%?
 
 ただしこの間、人口減少、節電技術の向上などにより電力使用量は減ります。2050年の日本全体での電力使用量は分かりませんが、地方においては想像をはるかに上回る再生可能エネルギー社会を創っていかなければならないということが見えてきます。
 
 本市は陸前高田市・住田町と共に、平成23年12月に政府から環境未来都市に選定されました。その取り組みの一つとして五葉山太陽光発電所を建設しました。しかしその発電量は、本市の使用電力量に対する比率の約10%です。そのため、今後も再生可能エネルギー発電所の建設に挑戦する企業・団体などを行政として精一杯支援し続けていかなければなりません。
 
 これは特にも再生可能エネルギー資源が豊富な地方自治体に当てはまることですし、海外の国々にも当てはまります。再生可能エネルギーの発電割合が長い時間をかけて世界的に高まっていくことで、徐々に温暖化が止まっていくのでしょう。我々はそういう時代の始まりに生きています。