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平成30年度教育長演述

 平成30年2月16日の平成30年市議会第1回定例会本会議において、教育委員会の小松教育長は、平成30年度における教育行政施策について所信の演述を行いました。

 以下、その内容をお知らせします。

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 平成30年市議会第1回定例会の開会にあたり、教育行政施策について所信を申し述べさせていただきますので、議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。

 はじめに、東日本大震災から7年が経過しようとしております。先の震災でお亡くなりになられた方々に、改めて深く哀悼の意を表しますとともに、被災された多くの方々に心からお見舞いを申し上げます。

 さて、本市では、少子高齢化や人口減少の進行、情報化や国際化の進展への対応など、震災前からの様々な課題に対応しながら、各般にわたり復興への歩みを一層加速させております。
 こうした中、市民がいきいきと暮らし、一人ひとりがお互いを認め合う社会の実現や、これからのまちづくりを支える多彩な人材の育成、ひいては持続可能なまちの創造を図るうえで、教育が果たす役割は大きく、その重要性はますます高まってきております。
 このようなことから、平成30年度におきましては、「復興を支え、確かな未来を築く人づくり」を目指すとして大船渡市教育大綱に掲げている、「子どもたちの生きる力をしっかりと育みます」、「ともに思いやり、支え合う心を育みます」、そして「地方創生に資する創造的な人材を育てます」の三つの重点的な取組方針を基本に、市長部局との連携を一層深めながら、生涯学習の推進をはじめ、大船渡市教育振興基本計画の着実な推進を図って参ります。

 以下、大船渡市教育振興基本計画に掲げる5つの施策に沿って、平成30年度の主要な施策について申し上げます。

 第1に、「生涯学習の推進」についてであります。
 はじめに、市民の生涯学習活動につきましては、市のホームページや広報紙を通じて市内各施設・団体等が開催する各種行事や学習情報などについて周知を図るとともに、「生涯学習推進のつどい」や市民講座、各種研修会の開催などを通じて、なお一層の促進に努めて参ります。
 中でも、北上高地への国際リニアコライダー誘致の可能性が一段と高まる中、国際化の進展に資するため、市民の国際感覚の醸成と外国人とのコミュニケーション能力の向上を目指し、新たに、就学前児童から一般成人までを対象とした国際理解講座や英会話教室の開催に取り組んで参ります。
 各地区の生涯学習やコミュニティの拠点である地区公民館につきましては、中央公民館との連携を密に、市内各地区において、生活に役立つ知識、文化・教養に関する多様な学習機会の提供などを通じて、地域コミュニティの醸成や活性化に取り組んで参ります。
 また、赤崎地区公民館について、平成30年度完成を目指し、鋭意整備を進めるとともに、大船渡地区公民館について、日常利用の利便性の向上と大規模災害時の避難所機能の強化を図るため、2階にトイレを増設するなど、必要な改修や修繕を行いながら、施設の適切な維持管理に努めて参ります。
 さらに、少子高齢化や人口減少が進む中、今後の持続可能な地区経営のあり方や、それを実現するうえで望ましい庁内体制の整備について、市長部局と連携して検討して参ります。
 芸術文化の振興につきましては、関係団体と一体となって、市民芸術祭をはじめ、日頃の芸術文化活動や創作活動の成果の発表及び鑑賞の機会を幅広く提供し、芸術文化に親しむ意識の醸成を図って参ります。
 また、市内小学生を対象に、質の高い芸術鑑賞の機会を提供し、児童の豊かな感性を培うよう努めて参ります。
 博物館につきましては、有形・無形の知的情報の着実な収集・保存はもとより、県内外の関係機関・団体などと連携した特別展や体験学習会・自然観察会の開催などにより、市民の多様化・高度化する学習ニーズに応えて参ります。
 特に、東日本大震災の記録を後世に伝え、市民の防災意識の高揚を図るため、当時の資料を整理して、映像コンテンツを作成し、館内での放映やインターネット上での配信などを通じて広く公開するとともに、館内のシアター映像展示システムのハイビジョン化に加え、考古・民俗展示室内の映像機器や音声装置を更新するなど、一層の機能向上を図って参ります。

 第2に、「学校教育の充実」についてであります。
 はじめに、学校施設につきましては、各学校からの要望を踏まえながら、安心・安全の確保を第一に、適切な維持管理、修繕等に努めて参ります。
 学校教育につきましては、知・徳・体の調和のとれた子どもの育成を目標に、児童・生徒の個性や理解の程度に応じた、きめ細やかな指導に取り組んで参ります。
 具体的に、「確かな学力の保障」に向けて、各学校において、学力調査などの分析結果を活用して、授業改善に組織的に取り組むとともに、授業交流会をはじめ、教員の指導力向上を目指した研修機会の充実を図って参ります。
 特にも、平成29年3月の新学習指導要領の改訂により、小学校において、平成30年度から31年度まで2カ年の移行期間を経て、平成32年度から3、4年生で本格的に外国語活動が始まるとともに、5、6年生で外国語が正式教科となります。
 このことから、児童が意欲的かつ主体的に学習に取り組むことができるよう、市独自に研究委員会を開催するとともに、3、4年生では学年ごとに、また、5、6年生では学級ごとに、従来の黒板とパソコン、映像機器などが一体化した電子黒板をそれぞれ配備し、国で作成・配布する各種教材を活用しながら、学習効果の向上に努めて参ります。
 また、教員の外国語指導の支援、児童・生徒の学習意欲の喚起を図るため、引き続き、外国語指導助手3名を小・中学校に派遣するとともに、中学生への実用英語技能検定料の補助により、学習活動の一環として、英検取得を目標に取り組む環境をつくり、生徒の英語力の向上を図って参ります。
 さらに、30人以上の学級を有する小学校への少人数指導講師や、特別な教育的支援が必要な児童・生徒の在籍校への支援員の配置などを通じて、児童・生徒の個性に応じた指導に努めて参ります。
 児童・生徒の豊かな心の育成につきましては、道徳教育や体験活動、読書活動、郷土芸能の伝承活動、さらには、地域や支援団体、他の学校との交流やボランティア活動などを通して、郷土愛や感動する心を育むとともに、児童・生徒と乳幼児がふれあう活動を通して、生命を大切にし、他人を思いやる心の醸成を図って参ります。
 いじめの未然防止や学校不適応対策につきましては、児童・生徒への学校生活アンケートの実施や、教育相談員、心の教室相談員の配置、スクールカウンセラー、さらには、学校と家庭、関係機関をつなぐスクールソーシャルワーカーによる巡回相談などにより、心のケアを必要とする児童・生徒や教職員、保護者の早期発見と早期対応を図って参ります。
 また、「大船渡市いじめ防止等基本方針」に基づき、「大船渡市いじめ問題対策連絡協議会」において関係機関・団体との情報共有を図りながら、必要な対策を講じて参ります。
 さらに、東日本大震災の経験から学んだことを生かし、児童・生徒一人ひとりに生き抜く力を身に付けさせるため、防災に係る副読本や実践事例集を活用し、防災教育に取り組んで参ります。
 低所得世帯に対する就学支援につきましては、給食費や学用品費などを引き続き補助するとともに、そのうち入学に要する費用については、平成29年度に引き続き、事前に補助できるよう取り組んで参ります。
 通学支援につきましては、遠距離通学や各種工事による交通事情の変化などを考慮し、スクールバスの運行や通学費の補助を継続して参ります。
 また、児童・生徒の登・下校時の安全を確保するため、庁内の関係部署や関係機関と連携を図りながら通学路の整備に努めるとともに、学校安全ボランティアであるスクールガードを継続して配置して参ります。
 学校給食につきましては、4カ所の学校給食共同調理場と北部学校給食センターを効率的に運営し、安全・安心な給食の提供と食育の推進に努めて参ります。
 学校給食費の徴収につきましては、学校給食の安定的運営に資するため、引き続き口座振替制度を奨励して参ります。
 また、未納・滞納分の着実な徴収を図るため、電話催告や文書督促、家庭訪問や面談を適宜実施し、計画的な納付を促すとともに、全庁的な債権管理の取組に呼応し、徴収手法の強化に向けて検討を進めて参ります。
 教職員の長時間労働の改善につきましては、毎週月曜日と第2・第4日曜日を中学校の部活動の休養日とし、小学校では毎週いずれか1日、また、中学校では毎週月曜日をそれぞれ定時退庁日とするとともに、毎月、時間外勤務の実態調査を実施し、その結果や改善策について校長会議で共有しながら、引き続き教職員の働き方改革に取り組んで参ります。
 市内小・中学校の規模及び配置の適正化につきましては、「大船渡市立小・中学校適正規模・適正配置基本計画」に基づき、統合対象校を有する地区ごとに設置した「学校統合協議会」における協議が整い次第、関係地区の学校統合協議会合同による、統合の方式や時期の決定、さらに、関係地区合同による統合推進組織の立上げへと段階的に歩を進めて参ります。
 統合推進組織においては、統合後の学校名や校歌、校章など基本的な事項について話し合っていただくこととし、これと平行して、学校やPTAそれぞれの間でのさまざまな協議、部活動をはじめ生徒間の計画的な交流を行っていく考えであります。
 教育委員会といたしましては、年々深刻化している少子化の進行を踏まえ、より望ましい教育環境の構築を図るため、引き続き、着実に基本計画の推進を図って参ります。
 また、平成29年4月に新たなスタートを切った赤崎小学校と赤崎中学校において、引き続き、両校の教員同士で、それぞれの教育内容や指導方法などの相互理解を図り、望ましい小中一貫教育のあり方について検討して参ります。

 第3に、「青少年健全育成の推進」についてであります。
 青少年の健全育成を図るには、各家庭でのしつけはもとより、学校等において規律ある生活習慣を身に付けさせるとともに、他を思いやる心の醸成を図ることなどを基本に、市民総ぐるみで、子どもたちの健やかな成長を支えていく環境づくりが肝要であります。
 このことから、家庭教育学級の開催により、保護者が子育てやしつけについて学ぶ機会を提供するとともに、小・中学校やPTA、地域住民の方々などのご理解とご協力により、教育振興運動や青少年体験学習事業などの活動を通して、子どもたちが多様な経験を積めるよう取り組んで参ります。

 第4に、「スポーツ・レクリエーションの振興」についてであります。
 スポーツ・レクリエーションにつきましては、人生をより豊かにし、心身の健全な発達や活力あふれる社会の形成に不可欠なものであるとともに、各種大会の開催を通じて、交流人口の拡大や経済的波及効果が期待されております。
 このことから、スポーツ・レクリエーションに親しむ機会として、市民がそれぞれのライフステージに応じ、多様な種目を気軽に体験できるよう、ニュースポーツフェスティバルや高齢者スポーツ交流大会などとともに、市体育協会をはじめ関係団体等との連携により、大船渡新春四大マラソン大会や大船渡ポートサイドマラソン大会、大船渡ポートサイドバレーボール大会など、市内外から集客力のある各種大会を引き続き開催して参ります。
 スポーツ施設につきましては、平成30年度の供用再開を予定している市営球場をはじめ、市民体育館や小・中学校の屋内運動場、現在、クラブハウスの整備を進めている赤崎グラウンドなど、既存施設の適切な維持管理と機能の充実に努めながら、なお一層市民の利用促進を図るとともに、今後のスポーツ施設整備の方向性について、中・長期的な視点から関係団体の意見も伺いながら検討して参ります。
 また、スポーツ振興による交流人口の拡大に向け、このほど設置した「大船渡市スポーツ交流推進連絡会議」において、市内の関係団体の連携を図るとともに、平成29年10月、スポーツイベントやスポーツ合宿の誘致、国内外への情報発信などを目的に、当市をはじめ県内の自治体や関係機関・団体により設立された「いわてスポーツコミッション」において実施する各種事業に積極的に参加して参ります。
 さらに、当市は、2020年東京オリンピック・パラリンピック大会に向け、震災後、特に多大なご支援をいただいたアメリカ合衆国を相手国として、国の「復興『ありがとう』ホストタウン」に名乗りを上げたところであります。
 国内的に訪日外国人の誘致に取り組む自治体が多い中、教育委員会といたしましても、これを機に、庁内の関係部署との連携はもとより、関係機関・団体のご理解とご協力、多くの市民の皆様の参画をいただきながら、多様な交流機会を通じて、国際交流の推進に取り組んで参ります。

 第5に、「地域の歴史・文化資源の継承」についてであります。
 市民一人ひとりが、わが郷土の歴史・風土や文化の素晴らしさ、価値を再認識し、郷土への誇りと愛着を培うことが、本市の創造的復興を支える礎になるものと考えております。
 このことから、積極的に有形・無形の歴史・文化資源の継承とその活用を図って参ります。
 文化財の保存と活用につきましては、史跡・名勝・天然記念物など指定文化財の適正な保護管理はもとより、「こども郷土芸能まつり」の開催を支援して後継者育成に努めるとともに、国指定文化財である「碁石海岸」や「珊琥島」の保存管理計画策定に向けて準備を進めて参ります。
 また、住宅再建や復興事業等に伴う埋蔵文化財の発掘調査を引き続き実施して参ります。
 さらに、国指定重要無形民俗文化財「吉浜のスネカ」を含む、「来訪神行事・仮面・仮装の神々」の平成30年度ユネスコ無形文化遺産登録を目指し、「来訪神行事保存・振興全国協議会」の一員として、関係自治体と連携しながら鋭意取り組んで参ります。
 ユネスコ無形文化遺産登録を果たした際には、民俗学に関する講演会をはじめ、多彩な記念行事の開催などを企画し、本市の歴史・文化の魅力を広く発信して参ります。

 以上、平成30年度における本市の教育行政施策の概要を申し述べさせていただきました。本市の更なる教育振興のため、議員各位並びに市民の皆様のなお一層のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
 

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