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震災の教訓は、携帯電話や固定電話、インターネットが長期間利用出来なくなり、市内の状況を知ることができなかったため、対応に時間を要したことです。
その対策として、市内13ヶ所の中核的避難所を設定し、通信事業者のサービスが市内で利用できなくなったときでも、地域別の被災状況、家族や知人の所在の確認、さまざまな情報を共有できるようにしました。
リアスホール、大船渡地区公民館、ふるさとセンター、猪川地区公民館、立根生活改善センター、日頃市地区コミュニティセンター、漁村センター、蛸ノ浦漁村厚生施設、綾姫ホール、越喜来小学校、三陸支所、旧崎浜小学校、吉浜地区拠点センター
中核的避難所の建物内には無線LANの環境を整備したことで、拠点内限定でスマートフォンやパソコンを使って通信することができます。また、中核的避難所を中心として半径約1kmでは地域WiMax(ワイマックス)という無線通信が専用の子機を経由して地区内限定でできるようにしました。
これにより、捜索・復旧活動などの野外活動中や、自宅避難している方などもスマートフォンやパソコンを使って通信することが可能です。
これらの中核的避難所の通信環境を利用して、今出山を中心として市内の各地区を無線で中継することで、市内限定で情報を共有できる「大船渡市地域内無線ネットワーク」が整備しました。
メールやFacebookなどのソーシャルメディアはインターネットが利用できるときは災害時の情報収集に大いに活用できます。しかし、震災ではインターネットが長期間利用できず、活用できなかったため、市内で独自に情報共有できるソーシャルメディアとして「地域のきずな」を整備しました。
「地域のきずな」のサーバ環境はインターネット環境から接続することもできますが、市域内無線ネットワークからも接続できるので、インターネットが利用できない状況でも市域内無線ネットワーク経由で、接続して利用が可能になります。
震災では、市内で長期の停電状態となり、多くのメディアが利用できない中、情報収集できたのがラジオでした。しかし、市内にはコミュニティFMがなかったため、県域の情報は得ることはできても市内の情報は入手できなかったため、FM放送基盤を整備し「FMねまらいん」として平成25年4月5日から放送を開始しました。
防災行政無線でのみ情報提供していた防災情報、市内に存在するさまざまな情報端末に一斉に配信する「情報連携基盤」を整備しました。
防災情報は、市内のパソコン、携帯電話、スマートフォン、ラジオなどさまざまな端末に一斉に配信できます。
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