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平成29年度特定健診結果データによると、大船渡市でタバコを習慣的に吸っている人の割合は、県と比較して男女ともに高く、特に男性の喫煙率は県内ワースト5位となっています。また、妊娠届時アンケートの結果から、気仙管内において、およそ2人に1人の妊婦が、同居家族の喫煙により、望まない受動喫煙をしている状況であることがわかっています。
喫煙は、吸っている本人の病気になるリスクを高めるだけでなく、周りの人が病気になるリスクも高めます。また、健康面以外にも仕事や生活など、さまざまな面で悪影響を及ぼします。
自分が吸うときに吸い込む煙(主流煙)よりも、タバコの先から立ち上がる煙(副流煙)の方が有害物質を数倍多く含みます。「受動喫煙」とは、望む・望まないに関わらず、知らないあいだに副流煙などのタバコの煙を吸い込んでしまうことをいいます。
換気扇の下や家の中で吸う場所を分けているから大丈夫と思っていませんか。
喫煙によって出たタバコの煙は、家具・壁紙・カーテン・子どもの玩具などの表面に、車の中では、座席シート・エアコンなどの表面に付着し、その後、徐々に空気中に再度漂います。これが「タバコ臭」として知られるものです。タバコ臭には、タバコのニコチン由来発がん物質やさまざまな有害化学物質が混じっています。
タバコの煙がない環境でも、タバコ臭が残っている場合は受動喫煙と同じくタバコの有害物質にさらされることとなります。
〇時間を奪われる
〇たばこ代がかかる
〇老けてみえる
〇家族も病気になりやすい
〇火事の原因にもなる
〇病気で休みがちになる
〇仕事をさぼっているようにみられる
〇ストレスがさらに増える
まずは、禁煙したときの悪い点と良い点を考えてみましょう。
禁煙すると「イライラする」、「集中できない」という症状が多くみられますが、禁煙開始から1か月程度で落ち着くといわれています。禁煙すると、「お金が貯まる」、「咳や痰が減る」、「家族が喜ぶ」など良いことがたくさんあります。
【良いこと(1) お金が貯まる】
(例)480円のたばこを1日1箱吸っている人は…1年間でおよそ17万円の節約に!
480円×365日=175,200円
【良いこと(2) 病気のリスクが下がる】
禁煙24時間後…心臓発作のリスクが下がる
禁煙2日後…においと味の感覚が改善
禁煙3日後…肺の機能が改善
禁煙2週間~3週間…心臓の機能が改善
【良いこと(3) 自分が気持ちいい + まわりの人も喜ぶ】
○イライラしなくなる
○部屋がきれいになった
○目覚めがさわやか
○灰皿などの清掃手間が省ける
○疲れにくくなる
○衣服等にニオイがつかなくなる
○せきやたんが止まる
○火事を心配することがなくなる
○風邪を引かなくなる
○味覚や嗅覚が戻る
○集中力が出てくる
タバコをなかなかやめられないのは、「ニコチン依存」と「心理的依存」が原因です。だんだん本数を減らす方法では、減らしている間にニコチン切れ症状が続くとともに、ちょっとした気の緩みで元にもどってしまいます。禁煙するなら、本数を減らすよりも、きっぱり一気に禁煙するほうが、禁煙成功率が高まります。薬を上手に利用するなどして、きっぱりやめましょう。
〇喫煙グッズはすべて捨てる。
〇朝、目覚ましに冷水を飲み、吸いたい気持ちを静める。
〇つい1本、吸いたくなる場所に「禁煙」の貼り紙をする。
〇口寂しさを解消するノンシュガーのあめやガムなどを用意する。
〇吸いたくなったときにどう対処するかあらかじめ決めておく。(吸いたくなったら水を飲むなど)
「やめようと思えば、いつでもやめられる」と思っている方は、ぜひ「今」から禁煙にチャレンジしてましょう。そして、身近な人が禁煙に挑戦していたら、家族や職場のみんなで、禁煙が成功するように環境を整えることも大切です。禁煙中はイライラしたり、元気がなくなったりすることがあるかもしれません。気分転換をしながら、一緒に乗り越えていきましょう。