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大船渡市議会では、前任期における議会改革調査特別委員会(平成28年3月まで)での検討に続き、平成28年第2回定例会において議会基本条例策定特別委員会を設置し、基本条例の制定に向けて検討を重ねてきました。
議会全体での研修会などを経て、平成28年12月20日の第4回定例会本会議において特別委員会から発議し全会一致で可決、同日施行しました。
平成12年のいわゆる地方分権一括法の施行、平成18年12月の「地方分権改革推進法」の成立により地方自治体の自主性が求められる中、住民から選ばれた代表で構成される議事機関としての地方議会の役割はますます重要性を増しています。
平成18年に北海道栗山町議会で全国初の議会基本条例が制定されてから、全国の多くの議会で、議会の目指すべき活動指針等をまとめた基本条例が制定されています。岩手県内の市議会としては大船渡市議会基本条例の制定は後発組ですが、これまでの議会活動や議会改革に取り組んできた実績を積み上げ体系化しました。
条例に盛り込んだ具体的な例としては、災害時の市議会としての対応、議決事件の拡大、一般質問における一問一答方式の導入、インターネット中継や市議会ホームページの充実などによる情報公開、常任委員会による市民・団体との意見交換の開催などがあります。
大船渡市議会基本条例は、議会が二元代表制の一翼を担っている機関であることの責任を自覚し、東日本大震災からの復興を成し遂げるとともに、少子高齢化など震災前からの諸課題を解決し、持続可能で安心して暮らせる地域社会の実現と市民福祉の増進に資することを目的に、市民の期待に応えることのできる議会機能の強化を目指し、議会と議員の活動原則等を定めたものです。
条例及び逐条解説は次のとおりです。→大船渡市議会基本条例及び逐条解説[PDFファイル/539KB]
平成28年6月21日の議会基本条例策定特別委員会設置以降、委員会では、前任期の議会改革調査特別委員会でまとめた条例(案)及び逐条解説をさらに精査し修正を加えたほか、議会全体で共通認識に立つための詳細な解釈等について、さらに制定後の運用等に係る課題についても協議を重ねました。また、平成21年に議会基本条例を制定した陸前高田市議会と、条例の運用面での課題等についての意見交換も行いました。特別委員会の会議数は平成28年6月から12月までで29回、審議時間はおよそ50時間となりました。
さらに、議会全体での研修会を計4回開催しました。研修会では、特別委員会でまとめた条例(案)や詳細な解釈等について、また、条例に基づく議会活動の根幹となる、議員同士の自由な討議を通じて政策形成や円滑な議会運営等を目指す自由討議の実施要綱や、市民の多様な意見を市政に反映させる政策形成サイクルについて、さらには、パブリックコメントに寄せられたご意見に対する市議会の考え並びに今後の対応についてや、条例を運営していく上で今後、検討を要する事項等についても、意見交換を通して議員全員の共通認識を図りました。
平成28年11月11日(金曜日)から25日(金曜日)までの15日間、市議会ホームページでパブリックコメント<大船渡市議会基本条例(案)に関する意見募集>を実施しました。
また、パブリックコメントの一環として、平成28年11月18日(金曜日)18時30分から、リアスホールのマルチスペースで、「大船渡市議会基本条例市民説明会」を開催したところ、50名程の市民の参加をいただきました。市民と議員20人が6テーブルに分かれて着席し、特別委員会が取組の経緯や条文等について説明をした後、各テーブルで意見交換を行いました。
市民説明会を含むパブリックコメントにお寄せいただいたご意見の概要と、ご意見に対する市議会の考えや今後の対応については次のとおりです。
寄せられたご意見の概要及びご意見に対する市議会の考え・今後の対応について[PDFファイル/279KB]
パブリックコメントで多くのご意見をいただき、また、特別委員会の検討の中でも条例を運営していくうえで検討を要するとされた課題が多く出されました。
特別委員会としては、これらについては今後の検証を担う議会運営委員会に検討を申送りすることとし、パブリックコメントで提案した条例案をもって最終案とすることとしました。
平成28年12月20日の本会議では三浦隆委員長が委員長報告を行った後、発議案を提案し、全会一致で可決されました。
大船渡市議会基本条例第23条に基づき、検証結果を取りまとめました。