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更新日:2026年02月20日
令和8年2月20日の令和8年市議会第1回定例会本会議において、教育委員会の小松教育長は、令和8年度における教育行政施策について所信の演述を行いました。
以下、その内容をお知らせします。
演述内容
令和8年大船渡市議会第1回定例会の開会に当たり、教育行政施策について所信を申し述べさせていただきますので、議員各位を始め、市民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
はじめに、昨年2月に本市綾里地区及び赤崎地区におきまして発生した大規模林野火災により被災された皆様に、お見舞いを申し上げますとともに、子どもたちの学びと生活を支えるため、多くの方々から御尽力と御支援をいただいておりますことに、深く感謝申し上げます。
さて、さきに策定された国及び県の教育振興計画においては、持続可能な社会の創り手の育成と、市民一人一人のウェルビーイングの向上を柱とする、これからの時代を見据えた教育の方向性が示されております。
本市におきましては、こうした国、県の動向を的確に捉えるとともに、地域の実情を踏まえ、令和8年度を初年度とする本市の教育振興基本計画の策定を進めているところであります。
本計画では、本市の最上位計画である大船渡市総合計画の施策の大綱に掲げる「豊かな心を育む人づくりの推進」を基本方針とし、市長部局との一層の連携を図りながら、教育施策を積極的に展開してまいります。
次代を担う子どもたちが、自らの可能性を最大限に発揮し、社会の中で生きる力を確実に身に付けられるよう、また、市民が生涯にわたり学び続け、その学びが地域の活力として循環していくよう、市全体の教育力の向上を図り、地域を支える人づくりを推進してまいります。
以下、新たに策定する大船渡市教育振興基本計画に掲げる三つの施策に沿って、令和8年度の主要な事業について申し上げます。
第1 学校教育の充実
人口減少・少子高齢化の進行により、児童生徒数の減少が加速するとともに、情報化・グローバル化の進展など、教育環境の変化が一層顕著となっており、様々な変化への的確な対応が求められております。
本年は、「主体的に考え、未来をたくましく生き抜く子どもの育成」を学校教育の目標とし、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」を育むため、児童生徒一人一人における個別最適な学びと協働的な学びの実現、充実した学習環境及び地域とのつながりの中での多彩な活動の体験を図ります。あわせて、学校、家庭及び地域が連携し、豊かな心を育む人づくりの推進に取り組んでまいります。
はじめに、「確かな学力」の育成につきましては、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向け、全国学力・学習状況調査など各種調査を活用しながら、きめ細やかな指導が行われるよう、教員の指導力向上に努めてまいります。
教育DXの推進につきましては、ICT支援員を8名配置し、ICT活用による効果的な教育活動のサポートを行うとともに、全ての児童生徒及び教職員の一人1台タブレット端末を更新し、ICT環境の整備による質の高い教育環境の充実と系統的な情報活用能力の育成を図ってまいります。
外国語教育につきましては、外国語指導助手の配置により、小中学校における教員の外国語指導を支援するとともに、異文化理解と国際的な視点により、グローバル人材の育成に取り組んでまいります。
特別支援教育の充実につきましては、特別な支援が必要な児童生徒に対応するため、各学校に特別支援教育支援員を配置し、教育的ニーズを把握しながら、安心して学べる支援体制を構築してまいります。
つぎに、「豊かな心」の育成につきましては、教育活動全体を通した道徳教育、人権教育及びキャリア教育のほか、交流活動、ボランティア活動などを通じて、自己肯定感を高め、協働の喜びや責任感を育み、社会性を養ってまいります。
いじめや不登校などへの対応につきましては、教育支援センターである「とんとん教室」に教育相談員を、各中学校には心の教室相談員を配置するとともに、児童生徒へのアンケートの実施や面談、スクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーの巡回などにより、状況を的確に把握してまいります。
あわせて、保護者や関係機関との連携に努め、児童生徒へのきめ細やかな支援を行ってまいります。また、「不登校対策大船渡モデル」により、未然防止や早期発見、組織的な対応に努め、関係機関と連携しながら、個々の状況に応じた対策を講じ、誰一人取り残さない学びの保障に向けた取組を推進してまいります。
復興教育や防災教育の推進につきましては、東日本大震災並びに大規模林野火災の教訓を継承し、自らの命を守りぬく主体性を備え、復興・発展を支える人材育成に取り組んでまいります。
つぎに、「健やかな体」の育成につきましては、体力・運動能力調査や生活実態調査、各種健康診断結果などを踏まえ課題を明確にし、体育の授業や業間活動運動を活用しながら、運動に親しむ習慣の形成と児童生徒の体力向上に向けた取組を進めてまいります。
部活動体制につきましては、令和8年度から運動部の休日の活動を地域クラブへ移行することとしているため、その円滑な移行を推進してまいります。
また、平日につきましては、引き続き部活動指導員を配置し、指導者の確保に努めてまいります。
学校給食につきましては、児童生徒が正しい食の知識と望ましい食習慣を身に付けられるよう指導を行うとともに、地域の食文化や産業への理解を深められるよう、地産地消の取組を引き続き推進してまいります。
また、昨今の物価高騰や国の動向を踏まえ、小学校の給食費を無償化するとともに、持続可能な学校給食の運営に努めてまいります。
つぎに、「教育環境の充実」につきましては、大船渡小学校、末崎小学校及び大船渡北小学校の3校において、トイレの洋式化及び校舎照明のLED化に係る設計業務を実施します。大船渡中学校の学校統合に伴う教育環境整備として、校舎などの改修に着手するほか、各学校の状況に応じ、児童生徒が安全に学校生活を送ることができるよう、学校施設の適切な維持管理に努めてまいります。
低所得世帯への就学支援につきましては、物価が高騰している中、保護者の経済的負担を軽減するため、入学に要する費用を始め、学用品費、修学旅行費、オンライン学習に係る通信費を支援してまいります。
教職員の多忙化解消につきましては、業務内容の精選や校務支援システムの活用により働き方改革を推進し、教職員が児童生徒と向き合う時間を確保できる環境の整備に努めてまいります。
学校統合につきましては、「大船渡市立小・中学校適正規模・適正配置基本計画」の計画期間が、令和8年度で終了することから、第2期計画の策定に向け、保護者や関係者などと協議を進めてまいります。
つぎに、「学校と家庭・地域の協働の推進」につきましては、コミュニティ・スクールの更なる充実を図り、それぞれの特性を生かしながら、「地域とともに魅力ある学校づくり」を推進してまいります。
閉校施設につきましては、利活用に係る検討を進め、引き続き適切な管理に努めてまいります。
第2 生涯学習の推進
人生100年時代を見据え、全ての人が生涯を通じて自己を高め、豊かな人生を送り、地域社会に貢献する力を育むために、生涯学習の重要性は一層高まっています。
誰もがいつでも学ぶことができる環境を整備し、学習機会の創出に取り組むとともに、市のホームページやSNS、広報紙などを通じた効果的な情報発信により、市民の学習機会の拡充を図ってまいります。
市立公民館におきましては、各地区におけるコミュニティの中核として、市民の学習ニーズや地域課題に応じた魅力あるプログラムを提供するとともに、幅広い世代を対象とした学習機会の充実を図り、地域の人材育成や絆の醸成、生きがいづくりを推進してまいります。
市立図書館につきましては、指定管理者の専門的な知見を活用し、効率的かつ効果的な施設運営に努めてまいります。
また、選書やレファレンスなどの基本サービスを始め、移動図書館車「かもしか号」の運行や学校教育への図書貸出支援を通じ、更なる利用促進と利便性の向上を図ってまいります。
市立博物館につきましては、総合博物館としての機能はもとより、震災伝承施設や三陸ジオパークの拠点施設としての役割も有することから、明治三陸津波130周年を迎える令和8年度は、地震や津波に関する博物館講座の実施や、津波防災の取組に関する常設展示の一部改修など、地域の自然や歴史への理解の促進と魅力の発信に取り組んでまいります。
また、博物館スクールや、「教員のための博物館の日」を引き続き実施しながら、学校との連携を推進し、施設の更なる利用促進に努めてまいります。
第3 地域の歴史・文化資源の継承
地域の歴史や文化は、自然や風土、人々の暮らしの中で育まれ、世代を超えて地域の絆を培ってきた、大切な財産であります。
文化財は、こうした歩みを今に伝え、郷土への誇りや愛着を育む重要な地域資源であるとともに、先人たちの知恵や営みに触れ、学ぶことのできる貴重な資料であります。
このことから、史跡、名勝、天然記念物を始めとする指定文化財につきましては、文化財パトロールの実施などにより、適切な管理と保護に努めるとともに、講演会や文化財めぐりなどを通じて、その魅力を伝え、市民の愛護意識の高揚を図ってまいります。
本年5月には、令和5年に岩手県指定無形民俗文化財に指定された「盛町五年祭」が、指定後初めて実施されます。この機会を捉え、行事の成り立ちや全体像を体系的に記録し、後世への確実な継承に努めるとともに、記録映像を広く公開することによりシビックプライドの醸成を図り、本市の歴史的・文化的魅力の発信につなげてまいります。
また、市内各地に所在する埋蔵文化財包蔵地における開発行為などに適切に対応するため、必要な発掘調査を実施するとともに、出土資料の整理を進め、貴重な歴史遺産の記録・保存と調査成果の活用に努めてまいります。
日本遺産「みちのくGOLD浪漫」につきましては、講演会の開催や構成文化財の説明看板設置、 市立博物館における企画展の開催など、普及活動を積極的に展開し、市民の理解促進と文化財の魅力発信に取り組んでまいります。
民俗芸能につきましては、関係団体と連携し、郷土芸能フェスティバルなどの発表機会の創出を図りながら、保存活動や後継者育成への支援に取り組んでまいります。
さらに、ユネスコ無形文化遺産「来訪神行事:仮面・仮装の神々」を構成する国指定重要無形民俗文化財「吉浜のスネカ」につきましては、保存会を始めとする関係団体と連携し、その魅力を広く発信するとともに、継承活動への支援を引き続き行ってまいります。
以上、令和8年度における本市の教育行政施策の概要を申し述べさせていただきました。
議員各位並びに市民の皆様におかれましては、本市の更なる教育振興のため、なお一層の御理解と御協力をいただきますようお願い申し上げます。