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令和3年度教育長演述


 令3年2月17日の令和3年市議会第1回定例会本会議において、教育委員会の小松教育長は、令和3年度における教育行政施策について所信の演述を行いました。

 以下、その内容をお知らせします。

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 令和3年市議会第1回定例会の開会にあたり、教育行政施策について所信を申し述べさせていただきますので、議員各位を始め、市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
 
 はじめに、東日本大震災から10年の歳月が経過しようとしておりますが、改めて震災でお亡くなりになられた方々に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被災された多くの方々に心からお見舞いを申し上げます。
 
 さて、本市では、多くのご支援、ご協力に支えられ、大船渡市復興計画の完了時期を迎える一方で、人口減少や少子高齢化、超スマート社会とも言われるSociety5.0時代の到来に加え、環境問題や自然災害の発生、さらには、新型コロナウイルス感染症の拡大など、複雑、かつ、予測困難な社会状況の変化に対応し、各般にわたる施策を推進しております。
 このような中、これからの持続可能なまちづくりを進める上で、市民一人一人が心豊かに生き生きと暮らす社会の実現や、まちづくりを担う多彩な人材の育成などにおいて、重要な役割を担う教育に対する期待が一段と高まっております。
 このため、令和3年度は、本市教育施策の基本方針に「豊かな心を育む人づくりの推進」を掲げるとともに、大船渡市教育大綱に基づき、市長部局において所管する文化・スポーツを始めとする各種施策と連携を図りながら、学校教育、生涯学習、伝統文化などの各分野の施策を積極的に展開してまいります。

 以下、新たに策定する大船渡市教育振興基本計画に掲げる4つの施策に沿って、令和3年度の主要な施策について申し上げます。

 
 第1に、「学校教育の充実」についてであります。
 新型コロナウイルスの全国的な感染拡大は、児童生徒の日常生活に加え、学校教育に与える影響も大きく、どのような状況下においても、児童生徒の学びを保障することが求められております。
 さらに、令和3年度から、中学校の新学習指導要領が全面実施となり、GIGAスクール構想によるICT教育も本格化することから、大船渡の児童生徒が「確かな学力」、「豊かな心」、「健やかな体」を育むとともに、地域社会と連携・協働しながら、未来の創り手となるための「生きる力」を育成する教育にも取り組んでまいります。
 はじめに、児童生徒の「確かな学力」の育成につきましては、学力調査などにより、個々の学力を的確に把握した上で、きめ細やかな指導が行われるよう、「主体的・対話的で深い学び」を実現する授業改善に一層取り組んでまいります。
 さらに、教員の研修機会を充実し、組織的な取組を強化しながら、教員の指導力の向上に努めてまいります。
 また、小中学校に外国語指導助手を派遣して、英語力の向上に向けた取組を小学校から中学校まで連続して実施することにより、国際理解を深める機会の拡充とコミュニケーション能力の育成を図ってまいります。
 特に、中学生については、実用英語技能検定料の補助を行い、学習進度に応じて個々が英語力を伸ばす取組を促進します。
 ICT教育の推進につきましては、児童生徒に配備するタブレット端末などを活用し、学習の基盤となる情報活用能力の育成に向け、教科横断的な学習活動を進めてまいります。
 特別な教育的支援が必要な児童生徒につきましては、支援員を配置し、関係者の情報共有に努めながら、一人一人の能力や個性に応じた指導を行ってまいります。
 児童生徒の「豊かな心の育成」につきましては、道徳教育やキャリア教育、体験活動、読書活動、郷土芸能の伝承活動のほか、地域や他の学校との交流、ボランティア活動などを通して、自分自身や他人を大切に思う心を始め、郷土愛や命の大切さなどを育んでまいります。
 いじめの未然防止や学校不適応対策につきましては、学校生活アンケートを実施して個々の状況を的確に把握し、教育相談員や心の教室相談員の配置、スクールカウンセラー、さらには、学校と家庭、関係機関をつなぐスクールソーシャルワーカーによる巡回相談など、心のケアを必要とする児童生徒や保護者の早期発見と早期対応に努めてまいります。
 さらに、「大船渡市いじめ問題対策連絡協議会」を通じて関係機関・団体との情報共有を図りながら、「大船渡市いじめ防止等基本方針」に基づき、必要な対策を速やかに講じてまいります。
 また、東日本大震災を経験した児童生徒に対し、継続して心のケアを行うとともに、防災学習の充実を図りながら、地域と連携し、体験学習などを通じて復興教育を推進してまいります。
 児童生徒の「健やかな体の育成」につきましては、体力・運動能力調査結果を分析して課題を明確にし、基礎体力の向上を図るとともに、基本的な生活習慣の定着と健康の保持に努めてまいります。
 また、部活動は生徒の自主的・自発的な参加によって行われるものであり、教育課程との関連を図りながら、指導にあたってまいります。
 低所得世帯に対する就学支援につきましては、入学に要する費用を始め、給食費や学用品費、修学旅行費などを補助してまいります。
 また、学校統合により遠距離通学となる児童生徒の負担などを考慮し、スクールバスの運行や通学費の補助を継続してまいります。
 スクールバスの運行にあたりましては、児童生徒の安全を最優先として、運行体制及び車両管理に万全を期すともに、東朋中学校の開校に伴い、新たなルートの運行を開始いたします。
 さらに、児童生徒の登・下校時の安全確保を図るため、関係機関との連携により通学路の安全点検を実施し、安全対策を講じるとともに、学校安全ボランティアであるスクールガードを継続して配置してまいります。
 学校給食につきましては、全ての共同調理場において調理業務を民間委託し、北部学校給食センターを中心に各学校給食共同調理場を効果的に運営しながら、安全・安心な給食の提供と食育の推進に努めてまいります。
 また、学校給食費の徴収にあたりましては、未納・滞納対策として、電話催告や文書督促、特別徴収などを行うとともに、学校と連携し、家庭訪問や納付相談を継続して実施しながら、計画的な納付を促し、学校給食事業の安定的運営を図ってまいります。
 学校施設におきましては、第一中学校の校舎及び屋内運動場の改築工事に取り組むとともに、各学校からの要望を踏まえ、施設の老朽化に対応し、適切な修繕等に努め、安全・安心の確保を第一とする施設管理に努めてまいります。
 教職員の働き方改革につきましては、「大船渡市立小・中学校教職員多忙化解消対策会議」などを通じて教職員の長時間労働の改善に向けて実効性のある対策を講じるとともに、中学校に部活動指導員を配置するなど、教職員が児童生徒と向き合う時間を十分に確保できるよう図ってまいります。
 学校統合につきましては、本年4月の赤崎中学校及び綾里中学校の統合による東朋中学校への移行が円滑に行われ、生徒が安心して学校生活を送れるよう支援を行うとともに、引き続き「大船渡市立小・中学校適正規模・適正配置基本計画」に基づき、関係者と情報共有を図りながら、望ましい教育環境の確保に向けて取り組んでまいります。
 また、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって特色ある学校づくりを進める学校運営協議会制度について、令和4年度からの導入を目指し、研修会の開催や各学校における準備組織の設置などの取組を推進してまいります。
 閉校後の学校施設の有効活用などにつきましては、地域の皆様のご意見等を伺いながら、検討を深めてまいります。

 第2に、「生涯学習の推進」についてであります。
 人々が心豊かに社会生活を送る上で必要となる知識は、社会情勢と相まって、目まぐるしく変化しており、全ての人がライフステージの各段階において、必要に応じて学べるように、生涯学習社会を構築することが求められています。
 こうしたことから、市民の主体的な生涯学習活動を促進するため、あらゆる世代への学習機会の提供とともに、公民館、図書館、博物館などの社会教育施設の機能向上を図ってまいります。
 市民の生涯学習活動につきましては、生涯学習カレンダーにまとめ、市のホームページや広報紙を通じて周知・啓発を図るとともに、社会状況に応じた市民講座や各種研修会などを開催し、学習意欲の向上に努めてまいります。
 各地区における生涯学習や社会教育、コミュニティの活動拠点である地区公民館につきましては、生活に役立つ知識を始め、文化・教養に関する多様な学習機会の提供などにより、地域コミュニティの醸成や活性化に資する取組を推進するとともに、施設については、適切な維持管理を図ってまいります。
 また、地域公民館における市民の活動を促進するため、引き続き、施設整備費用に対する支援を行ってまいります。
 図書館につきましては、市民の読書傾向や関心を踏まえ、多分野にわたり質・量ともバランスのとれた蔵書形成に努めるとともに、各世代を対象とした企画展や読書会などを企画・運営し、読書推進と利用促進を図ってまいります。
 さらに、蔵書管理にICシステムを導入し、利用者の利便性の向上を図るほか、より効率的・効果的な施設運営を図るため、指定管理者制度の導入に向けた取組を進めてまいります。
 博物館につきましては、博物館が有する機能の向上を目指し、資料の適切な「収集・保管」、「調査・研究」を行いながら、「展示・普及」の充実に努めてまいります。
 特に、「展示・普及」につきましては、体験学習会や地質観察会、小学6年生を対象とした「博物館スクール」、気仙管内の教員を対象とする「教員のための博物館の日」などを実施するとともに、チリ地震津波、東日本大震災などの津波災害や三陸ジオパークに関する展示、収蔵資料のホームページへの掲載などを通じて博物館の魅力を発信し、一層の利用促進を図ってまいります。
 
 第3に、「生涯スポーツの振興」についてであります。
 スポーツ・レクリエーションは、人生を豊かにし、充実したものにするとともに、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成や個々人の心身の健全な発達に必要不可欠なものであることに加え、交流人口の拡大や地域コミュニティの促進など、その果たす役割はますます大きくなっています。
 このように生涯にわたりスポーツに親しむことは、極めて大きな意義を有するものであり、引き続き、大船渡市スポーツ推進計画に基づき、市民のスポーツ活動の促進に向け、各般の施策に取り組んでまいります。
 このうち、小・中学校における運動やスポーツにつきましては、児童生徒の健康の保持増進及び体力の向上に資するとともに、フェアプレイ精神やコミュニケーション能力の育成など、心身の健全な発達を促すものであることから、地域や家庭とも連携しながら、その充実に努めてまいります。
 また、学校開放を行っている学校の屋内運動場につきましては、施設の適切な維持管理に努めながら、地域に最も密着したスポーツ施設として、なお一層の利用促進を図ってまいります。
 第4に、「地域の歴史・文化資源の継承」についてであります。
 地域の歴史や文化は、そこに暮らす人々の心の拠りどころであり、恵まれた自然や風土、郷土の歴史・文化の素晴らしさを再認識し、地域を愛し、郷土への愛着と誇りを育むことは、持続的なまちづくりの礎になるものであります。
 本市には、国指定重要文化財を始め、県指定や市指定の貴重な有形・無形の文化財が数多く有り、貴重な埋蔵文化財の出土が進む中で、本年は、大洞貝塚が国の指定を受けて20年の節目の年となります。
 このような郷土の大切な遺産・資源を次世代に継承していくため、講演会や文化財めぐりなどを通じて文化財に対する市民の理解を深めるとともに、史跡・名勝・天然記念物については、その適正な保護管理と活用に努めてまいります。
 埋蔵文化財包蔵地内における住宅建築等に伴う開発行為につきましては、必要な発掘調査を実施し、歴史遺産の適切な記録・保存に取り組んでまいります。
 ユネスコ無形文化遺産「来訪神行事:仮面・仮装の神々」を構成する国指定重要無形民俗文化財「吉浜のスネカ」につきましては、引き続き「来訪神行事保存・振興全国協議会」の一員として、関係自治体と連携しながら、世界に誇る地域行事の魅力を広く国内外に発信するとともに、保存会の意向に沿って、保存・継承を支援してまいります。
 また、岩手県や三陸沿岸の自治体などで構成する三陸国際芸術推進委員会の構成員として、活動に参画し、多彩な文化との交流を行う三陸国際芸術祭の実施や各種情報発信への支援に努め、本市の郷土芸能や芸術文化の魅力を国内外に発信するほか、こども郷土芸能まつりの開催などを通じて後継者の育成と郷土芸能団体の支援に努めてまいります。

 以上、本市の教育行政施策の概要を申し述べさせていただきましたが、令和3年度は、本市教育行政の基本となる大船渡市教育振興基本計画の計画期間の初年度となります。
 上位計画である大船渡市総合計画との整合性を図りつつ、市議会を始め、市民の皆様のご協力をいただきながら、大船渡市教育振興基本計画に掲げた施策の推進に鋭意取り組んでまいる所存であります。
 議員各位並びに市民の皆様におかれましては、本市の更なる教育振興のためなお一層のご理解とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。