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更新日:2024年02月26日
大船渡市について
写真1:大船渡市魚市場
大船渡市で営まれている漁業
定置網漁業
定置網漁業とは、沿岸の魚の通り道に網を設置し、網の中に導かれた魚を漁獲する漁法です。大船渡市魚市場に水揚げされる魚の約5割が定置網漁業によるもので、主にイワシ、サバ、ブリ、タラ、カツオ、イカ、マグロ、サケなど季節によって様々な魚が漁獲されます。
漁期は主に4月から1月までで、日帰り操業となります。1日の流れは、早朝に出港し、漁港から30分程度かけ漁場に到着後、網起こし・選別を行い、市場に水揚げします。その他に網の補修作業や網の入れ替え作業なども行います。
就業形態
漁業協同組合や漁業法人に乗組員として雇用されるのが一般的です。就業に必要な資格は特にありません。

図1:定置網漁業のイメージ図

写真2:定置網漁業 網起こし作業
漁船漁業
大船渡市で営まれている主な漁船漁業は、サンマ棒受網漁業、イサダ船曳網漁業、イカ釣り漁業などです。特に、サンマは本州1位の水揚げ量を誇ります。
サンマやイカは光に集まる習性を利用して棒受網やイカ針(擬餌針)で漁獲し、イサダは海中に網をおろして曳いて、漁獲します。
漁期は魚種によって違います。サンマやイカは、漁場に合わせ北海道や東北の漁場に水揚げを行うため、日帰り操業する場合もあれば、長期で出漁する場合もあります。イサダは、漁場が近くに形成されるため、日帰り操業が多いです。
就業形態
漁業法人や個人漁業者に乗組員として雇用されるのが一般的です。就業に必要な資格は特にありません。

図2:サンマ棒受網漁業のイメージ図(集魚灯を照らし、光に集まったサンマを網に誘導して漁獲します)

図3:イカ釣り漁業のイメージ図(集魚灯でイカを集めてイカツノと呼ばれる擬餌針で釣ります)
養殖漁業
海面や海中に生産施設を設置し、稚貝などを出荷サイズになるまで人の手で管理し、育てる漁法です。大船渡市では、主にカキ、ホタテガイ、ワカメ、ホヤなどが養殖されています。
日帰りの操業ですが、出荷までに1年以上かかり、付着物の除去や間引き作業などの管理作業が必要になります。大船渡市では、主に個人漁業者が経営しています。
就業形態
漁業協同組合の組合員として操業します。
※組合員資格を取得するためには、住所要件や操業日数、出資金等の条件があります。
図4:カキ養殖漁業のイメージ図(大船渡市内では、イカダ式とはえ縄式の2種類の養殖の方法で養殖が行われています)

写3、4:ホタテ養殖漁業 沖洗い作業(貝殻の付着物を除去し、ホタテに栄養を行き渡らせます)

採介藻漁業
漁港からすぐ近くの漁場で、船上から箱メガネでのぞきながらカギなどを使って漁獲します。大船渡市では、主にアワビやウニが漁獲されます。漁期は魚種によって異なり、決められた期間中に日帰りで操業します。他の漁業と兼業で営まれています。
就業形態
漁業協同組合の組合員として操業します。
※組合員資格を取得するためには、住所要件や操業日数、出資金等の条件があります。

写真5:アワビ漁の操業(箱メガネで海底にいるアワビを探します)

写真6:アワビ漁の操業(海底のアワビをカギで引っ掛けて漁獲します)
より詳しく知りたい方は、大船渡市で漁師を目指す方に理解を深めていただくために大船渡市漁業就業者確保育成協議会が作成した「新規漁業就業ガイド「漁師への道」 [PDFファイル]」(令和5年度更新)」をご覧ください。
漁師になるためには?
1.情報を集め、やりたい漁業をイメージする
自分が将来どのような漁業をやりたいのか明確にイメージすることが大切です。自身が漁業に興味を持った理由を切り口に、興味がある漁業について情報を集め、就業について検討しましょう。
主な情報収集の方法
- 大船渡市漁業就業者確保育成協議会などへの問い合わせ ※下記までお問い合わせください。
- 新規漁業者を受け入れる意志のある漁業関係者が出展する「漁業就業支援フェア(年に数回、東京都などで開催)」への参加
2.漁村生活や漁業体験を通じて、意志を固める
漁業体験を希望する方は、下記までお問い合わせください。市内の漁業協同組合等に受入先の有無について、確認を行います。
3.いわて水産アカデミーや受入先漁業者のもとで、基本的な知識・技術を学ぶ
まずは、いわて水産アカデミーや受入先の漁業者のもとで、基本的な知識・技術を学びましょう。
いわて水産アカデミー
いわて水産アカデミーは、漁業就業希望者を担い手として育成することを目的とした漁業研修機関です。基本的な知識を身につける集合研修と、受入先の漁業者のもとで漁業に従事する実践研修があります。
- 研修期間:1年間
- 受講料:118,800円
- 取得可能な免許:二級小型船舶操縦士免許、第二級海上特殊無線技士免許等
- 問い合わせ先:(公財)岩手県漁業担い手育成基金
詳細は、「いわて漁業担い手ポータル<外部リンク>」で確認できます。
4.すでに漁業を主として生計を立てている経営体のもとに就業(弟子入り)し、漁師としての仕事をスタート
定置網漁業や漁船漁業の乗組員として「雇用される」場合、必要最低限の準備(合羽や長靴など)をすることで就業が可能ですが、「経営する」ためには、漁業協同組合の「組合員資格」を取得する必要があります。
すでに漁業を主として生計を立てている経営体のもとに就業(弟子入り)し、実績を積むことが一人前の漁師になる近道です。なお、養殖漁業は、大船渡市ではほとんどが家族経営のため、新規就業者を受け入れられる漁師は少ないです。そのため、指導者への補助金などを活用しながら弟子入りする方法もあります。漁業協同組合やいわて水産アカデミー、大船渡市漁業就業者確保育成協議会でも受入先の確保に協力します。
5.キャリアアップをはかる(独立自営の道へ)
将来、自分で船を持ち、自らが経営者として漁業を営みたいと思っている方は、資格を取ってキャリアアップを図りましょう。また、実績を積み、漁業協同組合の組合員資格の取得に向けて、資格の取得要件である年間従事日数を確保しましょう。
漁業協同組合の正組合員になるには
下記の条件を満たし、漁業協同組合の資格審査で認められる必要があります。
- 漁業協同組合が所管する地域への居住
- 年間従事日数(概ね90日~120日以上)の確保
- 漁業協同組合への出資金の納付
その後、独立するためには、漁船や漁具の資機材の確保が必要になるほか、所得が安定するまでの生活資金なども必要となります。市や漁業協同組合、国の各種補助制度を活用しましょう。養殖漁業を営みたいと思っている方は、正組合員資格を取得して、漁業協同組合から空き漁場を借りる必要がありますので、漁業協同組合に相談しましょう。
各種補助制度
1.漁業就業希望者を対象とした補助制度
制度 | 大船渡市意欲ある浜の担い手支援制度 | 漁業担い手宿舎整備等支援制度 |
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支援者 |
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大船渡市 |
受給者 | 新規漁業者(15歳以上50歳未満が対象) | いわて水産アカデミー研修生 |
概要 | 大船渡市で新しく漁業を始める人に対して支援します。 | 宿舎借上を行ういわて水産アカデミー研修生に対して支援します。 |
補助上限額 |
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宿舎借上事業(家賃補助)
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リンク | 大船渡市意欲ある浜の担い手支援事業費補助金について | 漁業担い手宿舎整備等支援事業について |
制度 | 次世代人材投資(準備型)制度 | 漁業担い手資格取得助成制度 | 沿岸漁業改善資金制度 |
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支援者 | 国 | 国 | 国 |
受給者 | いわて水産アカデミー研修生(原則45歳未満が対象) | いわて水産アカデミー研修生を除く新規漁業者(45歳未満が対象) | 新規漁業者 |
概要 | いわて水産アカデミーに入講し、漁業研修を受ける人に対して支援します。 | 漁業に関する一部の資格を取得する人に対して助成金を交付します。 | 漁業経営を開始するための漁船や漁具等の購入資金を無利子で融資します。 |
補助上限額 | 上限150万円 (2回払い最長1年間) | 補助率:2分の1 上限10万円 | - |
リンク | - | 助成事業 岩手県漁業担い手育成基金<外部リンク> | - |
2.指導者等を対象とした補助制度
制度 | 漁業担い手宿舎整備等支援制度 |
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支援者 | 大船渡市 |
概要 | 市外から漁業に従事する漁業就業希望者を確保するため、宿舎整備及び宿舎借上を行う漁業者に対して支援します。 |
補助上限額 |
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リンク | 漁業担い手宿舎整備等支援事業について |
制度 | 経営体育成総合支援制度 | 被災地次世代漁業人材確保支援制度 |
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支援者 | 国 | 国 |
概要 | 新規漁業就業希望者を受け入れる指導者に対して指導者金を支援します。(指導者が3親等以内でない人が対象) | 新規漁業就業希望者を受け入れる指導者に対して指導者金を支援します。(指導者が3親等以内の人が対象) |
補助上限額 |
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リンク | 助成事業 岩手県漁業担い手育成基金<外部リンク> | 助成事業 岩手県漁業担い手育成基金<外部リンク> |